研究課題/領域番号 |
19K24253
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
荒神 裕之 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40840509)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 心理的安全性 / 患者参加 / チーム医療 / 医療安全 / 患者安全 / Shared Decision making / Empathy / Acknowledgement |
研究実績の概要 |
チームの心理的安全性に関する7つの質問項目(Edmondson A, Administrative science quarterly, 1999)を参考にしながら、患者・家族の心理的安全性を構成する要素に関して、心理学の専門家のアドバイスを得て文献的検討を行った。また、患者・家族の心理的安全性を構成する要素の検討については、2019年9月に台湾で開催されたInternational forum on Quality and Safety in Asiaに参加し、情報収集も実施した。 患者が声を上げる(Speak up)ことができる心理的状態を基盤に、医療者との関係性に着目して、受療中の意思決定の前提となる情報共有での価値や嗜好の汲み上げ、尊重がなされているという認識と、共感や受容に基づくチームの一員としての承認が主たる要素に当たるのではないかという仮説を設定した。仮説に対する更なる文献的検討の上で、患者団体等に所属する患者・家族に対して、フォーカスグループインタビューの実施を予定したが、新型コロナウイルス感染症のまん延に伴う外出等の禁止措置に伴って一旦延期した。現時点ではフォーカスグループインタビューを開催できるめどが立たない状況であるため、インターネット回線を用いたネット会議形式での研究遂行を検討中である。 フォーカスグループインタビューの開催に際し、研究倫理審査の申請を行ったが、患者・家族の心理的安全性に関する測定尺度が完成した後、プレテストの段階で審査を受けるよう指示があったため、現在は研究倫理審査の申請も保留中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症のまん延に伴い、フォーカスグループインタビューの開催が延期となったため、現時点では研究が一時止まっている状況にある。この点については、今後の研究の推進方策でも記載する通り、インターネット回線を用いた会議等により問題解消を図っていく予定である。 また、研究倫理申請に関し、フォーカスグループインタビュー前に申請を行ったが、倫理委員会から、フォーカスグループインタビューは実施して差し支えなく、実施後、測定尺度が完成した時点で申請するよう指導を受けた。研究倫理申請等を先行させていたため、待機時間が生じていたが、測定尺度完成後、倫理審査を終えるまでの期間、改めて研究遂行が滞ることが見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症のまん延に伴い、フォーカスグループインタビューの開催が延期されており、感染終息等にめどがつかないことから、新たな開催日時の決定もできない状況にある。そのため、インターネット等を活用した会議の開催を模索し、早期に実施できるよう取り組みを行う。また、フォーカスグループインタビュー後の研究遂行をより円滑にするため、既に作成済みの研究倫理審査申請書を現時点で更新し、患者・家族の心理的安全性の測定尺度が完成次第、直ちに審査申請できるよう整える。新型コロナウイルス感染症診療に伴い、入院患者の受け入れも通常よりもかなり抑制されており、プレテスト実施にも影響が生ずる可能性があることから、プレテストを実施する対象診療科を増やし、十分な症例数が確保できるよう現時点から対応を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症まん延に伴い、フォーカスグループインタビューが年度内に実施できなかったため謝礼の支払いが留保された。残金は、次年度に謝金の一部に充当する予定である。
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