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2020 年度 実施状況報告書

医療安全の患者参加促進要因としての患者・家族の心理的安全性の尺度開発と実態解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K24253
研究機関山梨大学

研究代表者

荒神 裕之  山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40840509)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2022-03-31
キーワード心理的安全性 / 患者参加 / チーム医療 / 医療安全 / 患者安全
研究実績の概要

患者・家族の心理的安全性の測定尺度の開発のため、心理的安全性に関する文献的検討を進めた。具体的には、医療分野における心理的安全性に関する文献渉猟を行い、53論文を同定した。このうち、入手が困難であった4文献を除き、49文献について検討を行なった。49文献のうち、医療と関係しない1文献を除いた48文献の中で、心理的安全性の尺度に関する論文は1文献のみであることが明らかになった。この1文献も医療者間のチーム内における心理的安全性について検討した内容であったため、本研究とは方向性が異なることが確認できた。以上の医療分野における心理的安全性の結果を踏まえ、心理学分野での心理的安全性に関する理論的背景をもとに、患者・家族の心理的安全性の測定尺度の質問項目を30項目作成した。本質問項目の作成には、心理学の専門家からの助言を得て、作成後の質問項目に関して、疫学の専門家にも助言を求めた。これら2人の専門家からの助言に基づき一部質問内容の修正を行い、患者・家族の心理的安全性の測定尺度の調査項目を確定した。また、この尺度を含む調査票の作成を完了した。
新型コロナウイルス感染症に伴う面会禁止等の制限により、院内における家族の調査が困難になったこと、及び、患者に対する調査についても、質問紙配布について制限が生ずることから、本質問項目(尺度)に関するインターネット調査による信頼性、妥当性の検証を行う方針とし、改めて倫理申請を行なった。倫理委委員会より、現時点の研究計画での倫理審査は不要との回答を得たため、現在、インターネット調査会社に委託して本質問票を用いた調査実施に向けた準備を行なっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2020年からの新型コロナウイルス感染症蔓延に伴い、院内での患者、家族に対する調査を予定していた研究計画の実行が困難になり、調査方法の見直しが必要となった。そこで、質問票の信頼性、妥当性の検証については、インターネット調査に切り替える方針とし、インターネット調査に向けた質問票の新たな作成を行うとともに、倫理申請の再提出を行なった。結果として現段階での研究倫理審査は不要と判断されたが、これら複数の対応に時間を要し、質問票の調査開始は当初の予定よりも遅れている。

今後の研究の推進方策

研究期間の1年延長をお認め頂いたため、現在、インターネット調査会社と質問票を共有し、調査実施に向けた対応を行なっている。インターネット調査後にデータを速やかに解析し、30項目設定した質問内容を統計学的検討に基づき精選して「医療チームにおける患者・家族の心理的安全性質問票」を取りまとめ、論文報告する。また、尺度開発と並行して、実態解明に関する調査方法についても見直しを行い、信頼性・妥当性検証で得られたデータの有効活用を検討して、実態解明を行なっていく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症まん延に伴う調査方法の変更と、実施時期の変更に伴い、従来、質問紙調査で行う予定であった調査をインターネット調査に切り替える必要が生じた。また、当初予定の学会等の中止により予算の執行の予定が変更となった。
次年度使用額の使用計画としては、次年度早々にインターネット調査を開始する予定としており、この調査費用に充当する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 医療安全の光と影ー次の20年を見据えた展望2020

    • 著者名/発表者名
      荒神 裕之
    • 学会等名
      第23回日本臨床脳外科学会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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