研究課題
研究活動スタート支援
INTERLIPID対象者(日本人と日系米人)計1,307人の血清メタボローム解析を実施した。日本人と日系米人で最も異なる血清リポたんぱく質は、男女ともに最小径HDL4濃度であった。HDL4濃度は魚由来オメガ3多価不飽和脂肪酸摂取量と負の相関性があり、日本人は日系米人よりHDL4濃度が低かった。年齢、性別、国、BMI、飲酒量、喫煙状況、身体活動、その他栄養素等で調整しても負の関連性は残り、これら変数との交互作用も認められなかった。今後は、HDL4濃度の臨床的意義についても検討したい。
栄養疫学
遺伝的に類似し、環境要因の異なる日本人とハワイ在住日系米人を比較したところ、男女ともに最小径HDL4が最も異なった。また、日本人が日系米人よりHDL4濃度が低い理由として、高い魚の摂取量が一要因として考えられた。HDL粒子サイズの臨床的意義は謎であるが、先行研究より最小径HDL4は循環器疾患の危険因子またはマーカーである可能性はある。また、HDL粒子サイズや最大径HDL1は魚摂取量のマーカーとして捉えられる可能性もあり、今後さらなる検証が必要である。