• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

肝炎ウイルス排除に対応する途上国における乾燥濾紙法による肝炎マーカー測定の提案

研究課題

研究課題/領域番号 19K24257
研究機関広島大学

研究代表者

永島 慎太郎  広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (60846898)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワード血液濾紙法 / 肝炎ウイルス / 遺伝子解析
研究実績の概要

途上国では、採血による血清疫学調査が困難なため、指先の穿刺による血液濾紙法(DBS)による調査が行われているが、コンタミネーションなどの問題があり、DBS検体の遺伝子解析の方法も確立していない。一方で、DBSの中にはコンタミネーションが少ない、長期間の保存に適しており、途上国における血清疫学的調査の利用に優れていると考えられるものが存在する。
本研究の目的は、当研究室がブルキナファソの研究者と共同で行った血清疫学調査で得られたDBS検体を用いて、途上国における肝炎ウイルス感染状況に関する血清疫学調査方法の確立とSequence解析によるfull-genome sequenceの特定の可能性を検討することである。
本年度は、申請時の計画に基づき、調査対象の母子240組より得られたDBS480検体より血液成分を抽出し、免疫血清学的測定(CLEIA法)を実施した。測定項目はHBs抗原、HBs抗体、HBc抗体、HBe抗原、HBe抗体、HCV抗体を実施した。その後Nested PCRを実施し、HBsAg陽性検体、HCV抗体陽性検体にHBV・HCVウイルス核酸の検出とその後のSequence解析、系統樹解析(部分配列、full-sequence)を行った。これらの測定により得られた結果と質問票の情報(児の出生場所、性別、ワクチン歴、学歴等)を連結し、母と児それぞれのデータベースを作成し、単変量・多変量解析を用いて母児のHBV感染状況と関連する因子について検討した。また、得られた系統樹をもとに得られた株のgenotype判定、児の感染経路の推定等を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本年度は、当初の予定であった免疫血清学的測定に加え、Nested PCRも完了し、HBVDNAのfull-sequenceの決定も可能であることを確認した。HCVAb、HCVRNAの測定、データベースの作成も進展し、当初の予定より早期に測定、解析を行うことができた。
以上のことから、進捗状況は当初の計画以上に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

令和2年度はここまで得られた知見をもとにHBVDNAの既知株との一致率解析やHBVのリコンビナントについての検討、追加の統計学的解析、同国で今後行う血清疫学調査の考案等を行っていく予定としている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] The changing epidemiology of hepatitis B and C infections in Nanoro, rural Burkina Faso: a random sampling survey.2020

    • 著者名/発表者名
      Moussa Lingani, Tomoyuki Akita, Serge Ouoba, Shintaro Nagashima, Palwende Romuald Boua, Kazuaki Takahashi, Basile Kam, Aya Sugiyama, Theodore Nikiema, Chikako Yamamoto, Athanase Some, Karim Derra, Ko Ko, Hermann Sorgho, Zekiba Tarnagda, Halidou Tinto and Junko Tanaka
    • 雑誌名

      BMC Infectious Diseases

      巻: 20 ページ: 46

    • DOI

      10.1186/s12879-019-4731-7.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi