研究課題/領域番号 |
19K24265
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研究機関 | 札幌保健医療大学 |
研究代表者 |
大橋 和貴 札幌保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (20848527)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 身体活動量 / 慢性肝疾患 / サルコペニア / 骨格筋量 |
研究実績の概要 |
本研究は、肝疾患患者の日常的な身体活動量と骨格筋量の変化を明らかにすることを目的に、身体活動量計を用いて身体活動量の測定を実施した。現在までに20名の測定結果を得た。女性は男性に比べ、身体活動量が少なかった。内訳として歩行による身体活動と生活行動に伴う身体活動に分けて評価すると、女性は男性に比べ歩行による活動量が少なかった。 一方で、女性13名のうち9名が骨格筋量が減少した状態(肝疾患におけるサルコペニア判定基準より)であったものの、活動量[中央値]は健康日本21における65歳以上の高齢者の身体活動の目標値とされる10METs-時/週を上回っていた。男性では、骨格筋量は保たれており、活動量[中央値]も目標値を上回っていた。これらの結果から肝疾患を抱える65歳上高齢者においても身体活動は高く保たれている可能性が推測された。1.0-1.9METsの座位を含む低強度の活動は男性に比べ、女性に多く見られ、また家事のほとんどを担っていると答えたものが多かった。これらの結果から、筋委縮状態にあってもこれまでの生活行動は概ね行えている可能性が推察される。年齢や社会背景が影響すると推測されるものの、研究協力者数が少なく十分な検討に至っていない。今後、目標とする研究協力者数に達するよう調査を行い、骨格筋量の変化についてもデータを収集する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年度末から現在において世界的に流行するCOVID-19に伴い、調査を中断している。当初予定していた調査ができていない。さらに、1回目の調査では想定以上に測定中の機器の紛失や破損が多かった。これらの原因により、目標症例数から遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに得られたデータを元に、肝疾患患者の身体活動の特徴についてまとめ日本慢性看護学会で報告する予定である。また、目標症例数から遅れている状況であるため、感染拡大が収束したのちに研究協力施設と調整し早期から調査を行えるように努める。症例数を増やし、当初の計画に沿って分析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年3月に計画していた学術調査が中止となったため、旅費が不要となった。次年度、研究協力施設と調整し、調査を計画している。
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