口腔衛生状態評価の有効性を比較するため、スクリーニング法の評価を行った。解析の結果、唾液検査と比較し、ATP測定法で示されるう蝕リスクは、より特異的なリスク因子であることが明らかになり、口腔内状態を反映する簡便なスクリーニング法となる可能性が示唆された。また、歯を構成するアパタイト結晶の微細構造解析を行った結果、従来では常識とされていたアパタイト結晶の生成経路以外に新たな経路の存在とそのメカニズムの一部が明らかになった。この結果は、う蝕をはじめとし、酸蝕症やエナメル質形成不全、斑状歯などアパタイト結晶の構造破壊が起こる口腔疾患に関して予防的・治療的アプローチの一助となる可能性がある。
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