現在日本は急速なゲノム医療推進にあり、遺伝情報の活用は治療と切り離せないものになりつつあるが、本来守秘義務のある診療情報においても遺伝情報は個人情報として特別に保護されるべきという考え方が根強くあり、限られた医療者だけが閲覧可能な手段により、遺伝情報はアクセス制限がなされる報告があった。これらから、現代医療の遺伝情報管理の実態と背景を、探索的順次デザインにて調査した。特定機能病院等の臨床遺伝専門医に対するインタビュー調査により、遺伝情報のアクセス制限項目とその背景を考察した。またその結果を踏まえ、臨床研修病院に質問紙調査を実施し、遺伝情報が有意に特別管理されている実態を浮き彫りにした。
|