本研究の目的は、産後の食事パターンが産後うつ病発症へ影響するか否かを明らかにすることである。産後1年以内の参加者319名の食事調査から4つの食生活パターンを抽出し、産後うつ病リスクとの関連性を調べた。特定されたパターンのうち、地中海食パターンの低遵守群を基準としたときの中遵守群の産後うつ病リスクのオッズ比は0.17(95%信頼区間0.03-0.81)であり、有意な関連を示した。一方、高遵守群のオッズ比は2.13(0.53-8.49)であった。地中海食パターンの中遵守群と高遵守群の各食品群へのパス係数を比較した共分散構造分析では、両者の食品群選択のバランスに違いがあることが明らかとなった。
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