研究課題/領域番号 |
19K24277
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
野口 泰司 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 研究員 (40844981)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
キーワード | ソーシャル・キャピタル / フレイル / 社会疫学 / 高齢者 / 介護予防 / マルチレベル分析 |
研究実績の概要 |
地域や集団などにおける人々のネットワークや信頼といった「ソーシャル・キャピタル」と、健康と要介護との中間的状態である「フレイル」との関連性を明らかにすることを目的とする。 日本人高齢者の大規模社会疫学調査である日本老年学的評価研究(Japan Gerontological Evaluation Study:JAGES)の調査データにおける、2013年および2016年調査によるパネルデータを使用し検討を行っている。2013年のベースライン時点にて基本チェックリストにより評価されたフレイル状況が「ロバスト(健常)」なおよそ2万人を対象にして、3年後の2016年におけるフレイル発生を追跡した。ベースライン時点において、小学校区ごとにソーシャル・キャピタル得点を算出し、個人の要因と地域の要因を切り分けて分析可能なマルチレベル分析を用い、地域レベルのソーシャル・キャピタルとフレイル発生との関連を検討した。個人基本属性や身体・社会的要因、地域の都市レベルなどの地域要因を考慮した上でも、地域レベルのソーシャル・キャピタルが豊かであるほど、フレイル発生リスクが低い結果が得られている。本結果の一部については、国内学会にて成果報告を行っている。 今後は、層別分析や感度分析などの追加分析をし、個人の属性や居住地域にによる影響の違いなどについても検討を行い、結果の外挿性も含めて、地域づくりによる介護予防やフレイル予防のための基礎資料の構築を目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、大規模高齢者データの分析から、地域レベルのソーシャル・キャピタルの評価およびフレイル発生との関連性について検討を行うことができた。また、結果の一部について、国内学会にて成果報告を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
JAGESパネルデータを用いて、地域レベルのソーシャル・キャピタルとフレイル発生との関連性について、感度分析や層別分析を含めた詳細な検討を行っていく。個人の属性や地域による影響の違いなどについても確認を行い、結果の外挿性についても検討を重ね、地域づくりによる介護予防やフレイル予防のための基礎資料の構築を目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画よりも論文化等の成果報告をやや遅らし、次年度にて実施することとした。そのため、成果報告に係る諸経費(英論文の校閲費等)を次年度にて使用する必要が生じたため。
|