研究課題
これまで、常体温時の温度感覚は安静時よりも運動時に鈍くなることが報告されているが、運動時に温度感覚が鈍化する詳細なメカニズムは明らかになっておらず、さらに、深部体温が低下した場合に温度感覚が運動によりどのような影響を受けるのかについては明らかでなかった。昨年度までの研究において、体温低下時にも運動による温度感覚の鈍化がしょうじることが明らかとなっていたことから、当該年度は、その調節メカニズムとして、運動時に大脳などの高位中枢から生じる運動指令や活動筋からのフィードバック情報が体温低下時の温度感覚にどのように影響を及ぼすかを検討することとした。実験は、安静時(Rest条件)、および自転車エルゴメーターにおいて自発運動を行った場合(Active ex条件)と被験者がペダルを回転させることによる受動運動を行った場合(Passive ex条件)の3条件において、局所皮膚温度感覚閾値と全身の温度感覚を測定した(n=3)。全身の温度感覚は-20(我慢できないほど寒い)~20(我慢できないほど暑い)のスケールを用いて測定し、局所皮膚温度感覚閾値はペルチェ素子でできた局所皮膚温冷却測定装置を用いて測定した。その結果、全身の温度感覚、皮膚温覚閾値、皮膚冷覚閾値のいずれも感覚指標も条件間で差はみられなかった。このことは運動指令や筋機械受容器からのフィードバック情報が運動時の温度感覚の変化に関連しない可能性を示している。しかしながら、本研究では現在3名の被験者でのみ測定を行っていることから、今後は被験者数を増やした更なる検討が必要であると考えられる。
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