本研究の目的は、小児脳腫瘍患者の精神・認知機能、協調運動および家庭・学校生活における適応行動について調査し、小児脳腫瘍患者の適応行動に影響する要因を明らかにすることである。さらに、経時的な調査を行い、病型の違いによる、精神・認知機能、協調運動および家庭・学校生活における適応行動の経時的変化の特徴を明らかにすることを目指す。 本補助事業期間内には、個別症例に対する復学支援、ケースシリーズ報告を行い、小児脳腫瘍患者の適応行動に影響する要因の検討を行う予定であり、2021年度には新規症例のリクルートおよびデータ収集とケースシリーズの論文投稿を行った。 具体的には、京都大学医学部附属病院で治療予定の新規の小児脳腫瘍患者に対して、認知機能および協調運動の評価(治療開始前評価)を行い、評価結果に基づいたフィードバックおよびリハビリテーションを実施し、必要に応じて個別症例への復学支援を行った。また、経時的変化の特徴を明らかにすることを目的に、治療終了後6ヶ月および18ヶ月後の精神・認知機能、協調運動および家庭・学校生活における適応行動の評価を行い、必要に応じて個別症例へのフィードバックを行った。また、復学後の小児脳腫瘍患者の精神・認知機能、協調運動および家庭・学校生活における適応行動について横断的に調査を行い、個別症例へのフィードバックおよび復学支援を行った。 また、第58回日本リハビリテーション医学会学術集会(Web)において、資料・情報収集と成果発表を行うとともに、日本小児血液・がん学会雑誌にケースシリーズの論文投稿を行い、掲載された(日本小児血液・がん学会雑誌 59(1))。
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