研究課題/領域番号 |
19K24290
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研究機関 | 国際武道大学 |
研究代表者 |
川合 英介 国際武道大学, 体育学部, 助教 (10847924)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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キーワード | 水球 / 巻き足 / 圧力分布分析 / 動作分析 / 流体力 |
研究実績の概要 |
本研究プロジェクトでは,大学男子水球選手を対象に,上級者の特徴から巻き足(立ち泳ぎ)における推進力向上のための指導観点(実践的示唆)を導き出すことを目的とし,2020年度は前年度構築した計測システムの最終調整および実際のデータの収集・分析(圧力分布分析,動作分析)を行った. 新型コロナウイルス感染拡大の影響で研究活動の一時中断や実施形態の変更が余儀なくされ,当初のスケジュール通り実験を行うことはできなかったが,数名分のデータは収集することができた.分析の結果,巻き足中の推進力増大の要因となる足底・足背間の圧力差は,足底側圧力の増加よりもむしろ足背側圧力の低下によって大きくなっていることが確認された.この現象(背側の圧力低下に起因する身体部位表面間の圧力差の増大)は,他の水泳・水中運動に関する研究(クロール泳中の手部や平泳ぎ中の足部など)や先立って実施した予備実験でも観察されており,動作によって生じる非定常な水の流れが推進力の生成に大きく影響していることを改めて強調すると共に,巻き足を含む様々な「泳ぎ」の推進メカニズムにおけるキーポイントであると示唆される.また巻き足では,特に第1趾付近における足背側圧力の低下が他の箇所(第3趾,第5趾,踵付近)よりも顕著であり,これは足部の角度や移動方向(キックの方向)など,選手の技術レベルによって程度の違いが見られるものと推測された.今後は本年度未実施に終わった残りのデータ収集を進め,結果をまとめていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響により,研究活動の一時中断や実施形態の変更が余儀なくされた.そのため,当初計画していたスケジュールで実験を行うことができず,データの収集がやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
まだ一部に制限があるものの,研究活動は概ね再開できているため,感染予防策を講じながら残りのデータ収集と分析を進めていく.得られた研究の成果は,国内の関連学会(現在のところ開催予定)および国際学術誌で発表する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で当初予定していた数の実験を行うことができなかった.結果として,消耗物品の消費が少なく,追加購入をしなかったため(既に所有していた量で対応できたため),次年度使用額が生じた.繰越金は次年度の物品費等に充当する予定である.
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