令和3年度も、引き続きコロナ禍にあり、医療機関にて研究目的でMRIを撮像することが難しい状況に変わりはなかったため、令和元年から2年度にかけて行った研究内容のブラッシュアップ、そしてさらなるハムストリング肉離れのリスク予測因子の解明に向け、引き続き、ハムストリング肉離れのリスク予測因子としてノルディックハムストリング中に発揮される力(NH strength)に着目し、関連する因子について研究を進めた。 まず、本年度の研究実績として、令和元年度の実験によって明らかにした、「単関節の膝関節屈曲筋力およびその際のハムストリングの筋活動はNH strengthと関連しない」という研究成果についてまとめた原著論文が、PLOS ONEに採択された。 また、令和2年度の実験で明らかとなった、デッドリフトの最大挙上重量とNH strengthとの関連について対象者数を増やしさらなる検討を進め、その研究成果を第32回臨床スポーツ医学会にて発表した。 さらに、腓腹筋が足関節と膝関節を跨ぐ二関節筋であり、ノルディックハムストリング中の足関節肢位がNH strengthに影響を及ぼすのではないかという仮設をたて、実験を行った。その結果、足関節底屈位でノルディックハムストリングを実施することでより大きなNH strengthが発揮されることが明らかとなった。本研究成果は、第33回九州・山口スポーツ医・科学研究会にて発表するとともに、Journal of Sports Science and Medicineに原著論文としてアクセプトされた。
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