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2019 年度 実施状況報告書

脂質環境応答により制御される形質細胞様樹状細胞の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K24307
研究機関東北大学

研究代表者

小林 周平  東北大学, 医学系研究科, 助教 (90851345)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワードFABP / 脂質応答 / pDC / 免疫制御
研究実績の概要

申請者らのグループは、様々な細胞におけるFABP分子の発現およびその機能解析を行ってきた。その一つとして、樹状細胞 (cDC)に発現するFABP5によるMAPKを介した炎症性サイトカインの産生制御を報告した (BBRC, 345 (1), 459-66)。
今回、申請者は、樹状細胞サブセットの一つである形質細胞様樹状細胞 (pDC)が、cDCと同程度のFABP5を発現することを見出した。FABP5欠損マウスにおける脾臓やリンパ節中のpDCの割合や絶対数においては野生型マウスとの間に有意な差は認められず、正常に分布していた。しかしながら骨髄前駆細胞からのpDCの分化誘導実験では、分化誘導初期においてはFABP5欠損細胞のpDCへの分化効率が高かった一方で、分化誘導後期には野生型と比較して、FABP5欠損細胞の分化効率が低下することが明らかとなった。
さらに、定常状態におけるToll-like receptor 7(TLR7)およびTLR9の発現レベルは、野生型およびFABP5欠損pDC間で有意な差は認められなかったが、これらのリガンドであるR848およびCpG-DNAの刺激に対して、FABP5欠損pDCはIL-6やI型インターフェロン(IFN-α、IFN-β)などの炎症関連遺伝子を過剰に発現することを明らかにした。一方で、pDCが産生することができる免疫抑制性のIL-10やTGF-βなどの遺伝子発現については有意な差が認められず、FABP5がpDCにおける炎症制御のバランスを担っている可能性が示唆される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、FABP5がpDCの機能的制御に関与することを明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

FABP5によるpDCへの炎症制御の関与が明らかになったので、ミトコンドリア機能評価や、脂肪酸中間代謝物の評価、遺伝子発現の網羅的な解析などを駆使し、細胞内脂質環境の変化にどのように応答しているか、その分子メカニズムの解明を目指す。

次年度使用額が生じた理由

次年度への繰り越し

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Fatty acid binding protein 3 regulates differentiation of IgM-producing plasma cells.2020

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Kobayashi, Hai The Phung, Shunichi Tayama, Yoshiteru Kagawa, Hirofumi Miyazaki, Yui Yamamoto, Takashi Maruyama, Naoto Ishii, Yuji Owada
    • 雑誌名

      The FEBS Journal

      巻: In Press ページ: In Press

    • DOI

      10.1111/febs.15460

    • 査読あり
  • [学会発表] 接触性過敏症におけるFABP3の関与機構2020

    • 著者名/発表者名
      小林周平、香川慶輝、宮崎啓史、大和田祐二
    • 学会等名
      第125回日本解剖学会学術総会全国学術集会 (誌上開催)

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公開日: 2021-01-27  

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