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2019 年度 実施状況報告書

高社会性動物モデルを用いた認知機能障害の社会的修飾機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K24309
研究機関群馬大学

研究代表者

高橋 麻衣子 (池澤麻衣子)  群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (50701322)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワードアルツハイマー病 / 認知症(AD)モデル / プレリーハタネズミ / 婚姻関係 / streptozotocin
研究実績の概要

本研究では、一夫一婦制を呈するプレリーハタネズミのアルツハイマー病(AD)モデルの作製と解析をすることで、認知機能における婚姻関係の及す影響とその神経機構を明らかにすることを目的とする。
まずは、マウスとは異なる行動学的性状を示すプレリーハタネズミの空間学習能について把握するため、バーンズ迷路を実施した。4日間のトレーニング期間を設け、ターゲットへ到達するまでの時間と距離、行動様式を観察した。ターゲット位置についての学習が成立後の五日目にはプローブテストを行い、ターゲットがあった場所にどの程度とどまるかを測定することで、空間記憶の保持や想起できていたかなどを評価した。また、プレリーハタネズミの物体認知について把握するため、Novel Object Recognition Test(NOR)を行った。2日間のOpen Fieldを経てから3日目に物体を提示し、新たな物体への探索時間を評価した。さらに、これらの行動実験を婚姻関係のある雌雄ペアと、雄同士の同性ペアで有意差があるか比較した。その結果、バーンズ迷路では、ターゲットに到達するまでの時間と経路は日を追うごとに短くなっていき、トレーニングによる空間学習が獲得されたといえる。NORでは、新しい物体の探索時間の方が既存の物体より長く探索しており、物体を認知している可能性を示唆した。雌雄ペアと雄同士ペアによる空間学習や物体認知については、今のところ両者で有意な差は認められなかった。
プレリーハタネズミのstreptozotocin(STZ)脳室内投与によるADモデルの作製について、条件検討を行った。脳室内投与に関し、STZの投与量と投与回数、薬剤投与からの暴露期間について検討し、最適な条件を算出した。また脳室内投与の技術的な正確性とスピードを高めつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、健常なプレリーハタネズミにおいて、空間認知を評価するバーンズ迷路と、物体認知を評価するNORの2つの行動実験において、プロセスと条件を確立させた。また、STZ脳室内投与したプレリーハタネズミのADモデルを作製し、行動学的な妥当性の検証に入っている。

今後の研究の推進方策

今後は、行動実験から得られたデータにより、健常なプレリーハタネズミの空間学習能と物体認知における基盤情報を獲得する。また、プレリーハタネズミのADモデルとしての妥当性を検証するため、ADモデルの脳切片からアルツハイマー様の病理所見の有無を検討し、組織学的にも評価を行う。
加えて、婚姻関係の有無が認知機能に及ぼす影響とその神経機構についても明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

抗体等免疫組織染色用の化学用薬品の購入を、次年度の組織学的解析の際にまとめて行うこととした。

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公開日: 2021-01-27  

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