研究課題/領域番号 |
19K24313
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
柳岡 拓磨 広島大学, 教育学研究科, 助教 (20846951)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 球技系競技 / ハーフタイム / Re-warm up / 体温 / 筋酸素動態 / 筋活動 |
研究実績の概要 |
本研究は、運動パフォーマンスの維持あるいは向上を目的とした球技系競技のハーフタイムなどに代表される競技間の休息中のコンディショニング方法を検討することを目的としている。具体的には、休息中にウォーミングアップを実施するリウォームアップ(RW)と体温保持のための外部保温器具の併用がその後の間欠的高強度運動パフォーマンスに与える影響を検討する。 2019年度はRWと外部保温器具の併用の効果を検証するための基礎的な研究として、短時間(1分間)・高強度(最大酸素摂取量の90%)のRWが後半のスプリントパフォーマンスに与える影響を検討した。この研究の結果、サッカー競技を模した間欠的運動中のスプリントパフォーマンスは、RW試行において安静試行と比較し後半開始後および終了前に有意な高値を示した。この結果は、15分間のハーフタイム中に短時間・高強度のリウォームアップを行うことによって、後半開始後・試合終了前のスプリントパフォーマンスが維持される可能性を示している。 さらに上述の研究結果を踏まえて、RWと外部保温器具の併用の効果を異なる環境下(通常・寒冷環境)で評価する研究を立案し、予備試験を実施した。現在、予備試験としてRWと外部保温器具の併用の効果を検討するには至っていないが、異なる環境下でハーフタイム中に安静を保つことによる運動パフォーマンスおよび生理学的変化を評価できた。通常環境下でハーフタイム中に安静を保った場合よりも、寒冷環境下で同様にした場合は著しい大腿部深部温・直腸温の低下が観察され、同様に運動パフォーマンスも低下した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の研究課題は、交付申請書に記載した「研究の目的・方法」に沿って実施した。しかし、RWと外部保温器具の併用の効果を検証する応用研究の終了には至らなかった。一方で、採取したデータの解析は終了し、国際学術雑誌に論文投稿中であることに付け加え、予備試験も遂行中である。従って、本年度の研究はやや遅れていると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究成果は国際学術雑誌に投稿中であり、2020年度7月までの採択を目指す。また、研究成果の一部を、European College of Sport Science Annual Congress(国際学会)で発表予定である。 2020年6月まで、予備試験を引き続き実施し、実験プロトコルの確定を目指す。その後、本年度中に本試験を終了させ、論文執筆・投稿を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画ではピル型深部体温計を使用予定であったが、欧米での使用ルールの変更に伴い輸入が不可能になった。このピル型深部体温計が高価であったため、使用の変更に伴い次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、2020年度の実験計画における消耗品の購入に使用する予定である。
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