研究実績の概要 |
①脳梗塞モデルの作成:前年度行った条件検討を元に、血栓性大脳皮質梗塞モデルを作成した。生後4週マウス(C57BL/6NCrSlc)に対してローズベンガル0.09mg/kgを腹腔内へ投与し、5分経過したのちに頭蓋骨上からレーザー照射(550~650 nm)を15分行い、梗塞モデルを作成した。脳梗塞ができているかどうかはMRIを撮像して確認した。また、脳梗塞モデルがリハビリテーション(トレッドミルトレーニング)を行えるかどうかを確認した。 ②脳梗塞モデルに対する細胞移植:先行研究として行ったShimogawa et al., NPJ Regen Med (2019)のプロトコールに従い、脳梗塞モデルに対して、脳梗塞作成1週間後にE14.5胎仔大脳皮質細胞移植を行った(n=3)。脳梗塞作成前、細胞移植前、細胞移植1週間後、2週間後、4週間後にfoot fault testを用いて運動麻痺の程度を評価した。細胞移植4週間後に脳組織を取り出し、免疫染色を行った。移植細胞由来の軸索は、同側の線条体、内包後脚、大脳脚レベルに認めた。同側の赤核周囲にも認めた。脳梁を介して体側の大脳皮質にも認めた。脊髄レベルには認めなかった。運動機能に関して、前肢・後肢の運動麻痺の推移を検討したが、細胞移植群と対照群間に統計学的な差は認めなかった。本検討では、細胞移植にリハビリテーションを加えた群、リハビリテーション単独群の検討は行えなかった。 ③ES細胞由来大脳オルガノイドの作成:Sakaguchi et al., Stem Cell Reports (2019)のプロトコールに従い、ES細胞由来の大脳オルガノイドの作成に着手した。
|