研究課題/領域番号 |
19K24318
|
研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
安齋 紗保理 城西国際大学, 福祉総合学部, 助教 (60649151)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
|
キーワード | 社会活動 / 社会参加 / 虚弱高齢者 / フレイル |
研究実績の概要 |
2021年度は,新型コロナウイルス感染症の流行の影響により虚弱高齢者を対象とした訪問調査が実施できなかったため,本研究に関連する量的データの分析を行った。分析は,虚弱高齢者の社会参加促進の一助とするために,地域に在住する虚弱高齢者の社会参加の関連要因を明らかにすることを目的とした。 要介護者を除いた地域在住高齢者28,636名のうち郵送によるアンケート調査に回答した22,048名(回収率77.0%)のうち,虚弱高齢者(簡易フレイル・インデックス(yamadaら,2017)にて選定)に該当した2,655名を分析対象とした。調査項目は基本属性(性別,年齢等),介護の必要性,運動機能,主観的健康感,社会的交流(別居親族との対面接触・非対面接触,友人近所の人との対面接触・非対面接触),社会活動であった。統計解析は,社会活動への有無で2群に分け,単変量解析にて有意であった項目を説明変数,社会活動への参加を目的変数,年齢,性別を調整変数とした2項ロジスティック回帰分析を行った。その結果,有意差が見られた項目は,運動機能(0;低下なし,1; 低下あり,オッズ比0.68,p=0.023),主観的健康感(0;低下なし,1; 低下あり,オッズ比0.65,p=0.001),友人との対面接触(0;週1回以上,1;週1回未満,オッズ比0.32,p<0.001),友人との非対面接触(0;週1回以上,1;週1回未満,オッズ比0.73,p=0.022)であった。主観的健康感や運動機能は本研究にて新たに明らかになった要因であり,虚弱高齢者の社会活動への参加の特徴である可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行のため,虚弱高齢者を対象とした訪問インタビュー調査を実施できていないため。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は,2020年度・2021年度に実施できなかった虚弱高齢者に対する質的調査を実施し,最終報告書を作成する。 上半期は,新型コロナウイルス感染症の状況を鑑みて,訪問によるインタビュー調査,もしくは,電話によるインタビュー調査を実施予定である。下半期は,質的調査,量的調査の結果から,虚弱高齢者の社会活動へ参加促進に関する基礎資料をまとめ,最終報告書を作成する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響で,インタビュー調査を実施できなかった。そのため,インタビュー調査時の交通費,インタビュー調査の逐語録作成費用が生じなかっ たため。2022年度に,実施できなかったインタビューを実施し,その費用に充てる予定である。
|