研究課題/領域番号 |
19K24328
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
東郷 将成 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 研究員 (90846312)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 筋グリコーゲン / 血糖値 / インスリン濃度 / GIP濃度 / 呼吸交換比 |
研究実績の概要 |
1日に複数回行われる持久的運動でより良いパフォーマンスを発揮し続けるためには,運動直後の栄養補給でエネルギー源である筋グリコーゲンを回復させることが重要である.研究代表者は糖質と乳化した脂質を含む身近な食品であるアイスクリームを用いて,運動直後のブドウ糖で特製したアイスクリーム摂取が筋グリコーゲンの回復食品として有効であることをインスリン分泌量増大の観点から示唆した.しかし,筋グリコーゲンがどの程度回復し,回復後の運動パフォーマンスに如何に影響を与えるかは評価できていない.本研究の目的は運動直後に必要とされる量のブドウ糖で特製したアイスクリームの摂取が,1.運動で消費した筋グリコーゲンを回復させるのか,2.回復後の運動パフォーマンス発揮に有効かを明らかとすることである. 2019年度は本研究の1に示されている運動直後の糖質と乳化した脂質の同時摂取のためのアイスクリーム摂取が運動で消費した筋グリコーゲンを回復させるかを明らかとすることを目的とした.方法は,男性10名を対象に筋グリコーゲンを消耗させる運動様式を実施する.運動直後にブドウ糖特製アイスクリーム,スポーツドリンクおよび水のみの3条件の試験食品を摂取させたのち,240分まで回復期間を設ける.アイスクリームおよびスポーツドリンクの糖質量は,1.2 g/kg 体重とする.運動前,運動直後,試験食品摂取30,45,60,120,240分時に磁気共鳴法による筋グリコーゲンの測定および肘中採血によるインスリン濃度,呼気ガスの測定を行う. 本研究では予備実験を実施し,筋グリコーゲンの測定など再現性が得られたものの,新型コロナウイルスの流行に伴い,実験の実施が困難となり,実施予定していた実験よりも進捗が遅れている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は,研究1. 運動直後の糖質と乳化した脂質の同時摂取のためのアイスクリーム摂取が運動で消費した筋グリコーゲンを回復させるかの本実験を行うことを目的とした.予備実験を実施し,進展があったため次年度で実施予定だった検体のGIPの測定を行うために,研究費の前倒し支払い申請を行なった.得られた研究費を基に,本実験の実施を計画していたところ,新型コロナウイルスの流行に伴い,実験の実施が困難となり,実施できていない.
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今後の研究の推進方策 |
遅れている研究1の実施を計画しているが,実験設備のある施設が新型コロナウイルスの流行により,閉鎖となっている.実験は実施できていないものの,被験者は確保済みであり,測定に必要な備品も確保できている.新型肺炎の流行が収束に向かい,学校閉鎖が解除され,実験が可能となれば,遅延している研究1に加えて次年度に実施予定であった研究2についても連続で行うことが可能となる.進捗では遅れているものの,次年度で研究の遅れは修正できる予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由として,新型コロナウイルスの流行があげられる.当初の計画よりも進展があっため,研究費の前倒し申請をおこなった.しかしながら,実験設備のある施設が新型コロナウイルスの流行により,実験の実施が不可能となったため,次年度の使用額が生じた. 2020年度の研究費の使用計画としては,2019年度に実施予定であった本実験を実施するため,消耗品費として,試験食品,アイスクリームの製造に必要な機材,血液検査のための採血器具,得られた血液を分析するためのキット,血液検査のための採血器具を,必要最低限の物品および数量で計上している.消耗品の必要数の計算方法として,正中肘静脈の採血の器具および血糖値,乳酸値の測定は,8回(7回分+1回(再測定および採血を考慮))×3条件 ×10名として計算している(採血に使用する針,アダプタ,ホルダーはテルモ社製のものを使用する).GIPキットは矢内原研究所社製のYk253 Human GIP (Total) ELISAを使用し,測定濃度の検討に1キット,検体測定のための6キット(7検体×3条件×10 名=210回(1キット;40回測定))として計上している.人件費・謝金は,研究参加者の謝金として被験者数を十分に確保するために最低限支払う.また,採血を行う看護師の謝金は所属大学で定める規定に則り,特殊技能を有する場合の最低限の金額を計上した.
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