研究実績の概要 |
本研究は、人工甘味料の習慣的な摂取が骨格筋量ならびに機能に与える影響について検討を行う。昨年度は、本研究のオリジナリティを支える二重標識水の手法の確立を行った。マウスの身体はヒトと比較しても非常に小さく、一回採血量(もしくは一回採尿量)に限りがあるため、複数のマウスを用いて、採血量の確保を行い、経時的な変化を追うことで、マウスのエネルギー消費量測定方法の確立を行った。 当該年度は、計画書に記載したように、4週間の2種類の人工甘味料(スクラロース, アセスルファム-K)と通常水をマウスに摂取させた。その結果、体重、骨格筋量、血糖指標マーカー(空腹時血糖、HbA1c)において、3群間に有意な差は認められなかった。また、血清中の糖尿病に関連するホルモン(インスリン、レプチン)ならびにイリシンにおいても濃度に差が認められなかった。先行研究では、4週間という比較的短期間の人工甘味料投与でも上記マーカーが変動すると報告されたいたが、本研究では確認することができなかった。 そこで、投与期間を12週間に伸ばし、3種類の人工甘味料(スクラロース, アセスルファム-K, スクラロースとアセスルファム-Kの混合液:以下混合液)と通常水の4群で再度検討を行った。その結果、すべての群間において、体重の差は認められなかったが、血糖指標マーカーが通常水と比較して、アセスルファムK及び混合液摂取群の値が悪化していることが明らかとなった。 今後、12週間投与マウスの筋及び血中ホルモンの検討、並びに二重標識水を用いた身体組成の検討を行っていく予定である。
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