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2020 年度 実績報告書

GPUスパコンを用いた都市風況解析の実時間アンサンブルデータ同化

研究課題

研究課題/領域番号 19K24359
研究機関国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

長谷川 雄太  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究員 (10851016)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワードLBM / GPU / アンサンブル計算
研究実績の概要

格子ボルツマン法に基づく数m解像度の都市風況・汚染物質拡散解析に対するアンサンブルデータ同化の適用可能性を検討するため、大アンサンブル数の計算を行い、その統計諸量を評価した。大アンサンブル数の計算には、昨年度開発したMPI版アンサンブル計算コードを利用した。

まず、各物理量の瞬時値について確率分布およびヒストグラムを評価したところ、風速は概ねガウス分布に従うことが確認された。しかし、汚染物質濃度のヒストグラムは正規分布を示さず、ゼロ付近の値が高頻度に出現する分布になることがわかった。この分布は正規分布よりも対数正規分布やガンマ分布によく従うことから、汚染物質拡散過程は、乗算的な確率過程でばらつくことが明らかになった。アンサンブルデータ同化は一般的に、物理量の統計的ばらつきを正規分布とすることを仮定するから、汚染物質濃度の観測値を直接同化することは困難であるとわかった。このため、汚染物質濃度のデータ同化には、非ガウス性を考慮したデータ同化手法の開発が必要である。

次に、風速についてアンサンブルデータ同化の適用可能性を検討するため、瞬時値および時間平均値の格子点間の共分散を評価した。結果として、都市風況解析における風速のデータ同化としては、(1) 上空50 m 程度の風速を対象として、(2) 30程度のアンサンブル数の計算を行い、(3) 風速の15分間平均値を同化することが実現可能性が高いことがわかった。ただし、アンサンブルデータ同化は一般に、瞬時値を同化するものとして定式化されているため、時間平均値を同化できるデータ同化手法の開発を新たに行う必要があり、これは今後の課題である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Ensemble wind simulations using a mesh-refined lattice Boltzmann method on GPU-accelerated systems2020

    • 著者名/発表者名
      Y. Hasegawa, N. Onodera, Y. Idomura
    • 雑誌名

      Proc. SNA+MC2020

      巻: --- ページ: 236-242

    • 査読あり
  • [学会発表] 局所細分化格子ボルツマン法による都市風況解析におけるアンサンブル計算のMPI実装2021

    • 著者名/発表者名
      長谷川雄太、小野寺直幸、井戸村泰宏
    • 学会等名
      原子力学会2021年春の年会
  • [学会発表] 局所細分化格子ボルツマン法による都市部を対象とした局所風況解析のアンサンブル計算に向けた省メモリ実装2020

    • 著者名/発表者名
      長谷川雄太、小野寺直幸、井戸村泰宏
    • 学会等名
      日本原子力学会2020年春の年会
  • [学会発表] Ensemble simulation for micro-meteorological condition using locally-mesh refined lattice Boltzmann method2020

    • 著者名/発表者名
      Y. Hasegawa, N. Onodera, Y. Idomura
    • 学会等名
      COMPSAFE2020
    • 国際学会
  • [学会発表] 局所細分化格子ボルツマン法を用いたアンサンブル風況解析2020

    • 著者名/発表者名
      長谷川雄太、小野寺直幸、井戸村泰宏
    • 学会等名
      第25回計算工学講演会
  • [学会発表] 格子ボルツマン法のアンサンブル計算に基づく汚染物質拡散解析2020

    • 著者名/発表者名
      長谷川雄太、小野寺直幸、井戸村泰宏
    • 学会等名
      第34回数値流体力学シンポジウム

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公開日: 2021-12-27  

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