格子ボルツマン法に基づく数m解像度の都市風況・汚染物質拡散解析に対し、アンサンブルデータ同化の実装に向けた研究開発を行った。まず、アンサンブル計算をMPI化し、100アンサンブル程度の大アンサンブル計算を系統的に行うことができるように実装した。次に、このコードを用いて、アンサンブル統計の評価を行ったところ、以下のことが明らかとなった。(1) 風速のヒストグラムは概ねガウス分布に従うが、汚染物質濃度のヒストグラムは正規分布を示さず、ゼロ付近の値が高頻度に出現する対数正規型の分布になった。 (2) 風速の共分散を評価したところ、風速の瞬時値ではなく時間平均値を同化する必要があることがわかった。
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