研究課題/領域番号 |
19K24366
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
出家 亨一 北里大学, 医学部, 助教 (00845109)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 小児 / 内視鏡手術 / 鉗子 / 圧検出 / トレーニング / 手技評価 |
研究実績の概要 |
小児高難度内視鏡手術は、組織脆弱性、狭小空間での操作といった小児特有の制約や、そもそも内視鏡手術では力触覚を得ることが困難であるなどの理由から、国内に普及することが進まない現状がある。そのため、術前トレーニングの必要性が認識されているものの、小児外科医のための適切なツールがない。そこで、本研究では特に新生児や乳児の内視鏡手術で必要とされる繊細かつ正確な鉗子操作を正確に評価し、効率的なトレーニングを可能とする鉗子先端に発生する力触覚情報を取得できるセンサ付き鉗子を開発する。本デバイスを用いて手技評価やトレーニングにおける妥当性を検証することを目的とする。鉗子開発は、鉗子先端で得た力触覚情報をリアルタイムに解析し、訓練者にフィードバックするシステムの確立まで行う。この鉗子センサが医師の内視鏡手術手技の技量の違いを判別するのに有用か、また本システムは危険な鉗子操作時に医師に正確なフィードバックができているのかを検証する。 本年度は、センサ付き鉗子と訓練者にフィードバックするシステムの開発を行った。センサ付き鉗子については、鉗子のシャフトにひずみゲージセンサを取り付けた試作機を開発した。鉗子の押し引き、把持、ひねりなどの各動きを検出することが可能となったが、ユーザーインターフェースを意識した操作性の高い鉗子とするため、センサの小型化、軽量化といった改良を行った。鉗子のシャフトに取りつけられる非常に狭小なセンサを選定した。また、鉗子先端の力触覚情報を処理し、術者に知らせるシステムを開発するために、取得した情報をリアルタイムに記録および解析できるシステムを開発するための企業を選定し、現在製作中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ユーザーインターフェースを意識したセンサ付き鉗子とするためには、センサの小型化が必須である。非常に小さくて軽いセンサを選定することができたものの、鉗子シャフトが細く、丸まった形状であることから取りつける方法に難渋し、専門的な技術を要した。また、センサ取りつけ部分が非常に繊細であるため、不具合が生じやすく壊れやすいという課題が生じた。そのため、現在も試作機を開発中である。
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今後の研究の推進方策 |
鉗子の押し引き、把持、ひねりなどの全ての力を検出するためにセンサを全て取りつけようとすると不具合が生じやすく、修理費用もかかることが分かったため、センサを限定して取りつけ、その開発作業時間を短縮するよう努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度はユーザーインターフェースを意識した操作性の高い鉗子とするため、センサの小型化、軽量化といった改良を行った。しかし、センサを数多く取りつけるには、非常に繊細かつ専門的な技術が求められる上、センサの取りつけ部が壊れやすいなどの課題が生じた。そのため、修理に要する期間と費用を見積もる必要があり、予算配分の見直しをしたことから今年度予算を次年度に持ち越しすることにした。
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