研究課題
本年度の研究実績として,内視鏡画像より深層学習により血管領域を大域的に抽出する深層学習ネットワークの構築に関する研究開発を実施した.また,抽出した血管領域より,グラフマッチングの手法を適用し,高精度な血管構造解析手法の研究開発を実施した.その結果,血管の分岐点,主流,分流の情報を獲得を実現し,血管構造を構成する血流の流量に着目することで,血管の幾何学的情報獲得に関する研究を行なった.具体的には,血管の主流,分流の血流に関して,血流量で偏微分することで,血管の主流,分流で整合性の取れる領域について血管の半径等の幾何学情報が正しく得られる領域とし,光学的形状復元アプローチの一種であるSFS(Shape from Shading)に必要となる該当血管領域における光の反射係数獲得を行なった.これらの研究結果により,血管の潜在的幾何情報と光学的制約式を融合する新たな3次形状獲得手法の基礎を確立した.また,本研究課題の支援を受け,研究課題の派生として,深層学習による癌の良性・悪性分類に関する研究を行い.一般的な白色光源で構成される内視鏡において,従来より高精度な癌の良性・悪性分類を実現した.加えて従来,物理的に光帯域を制限することで,血管観察に有効な内視鏡画像の撮影を実現していたが,深層学習により,ソフトウェアベースで血管観察に有効な内視鏡画像生成技術を確立している.これらの研究実績に関しては,学会誌,国際会議等で発表し,現在は特許申請の準備を進めている.
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Procedia Computer Science
巻: 176 ページ: pp.2507-2514
巻: 176 ページ: pp.1754-1762
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