研究課題
地表面付近に存在する対流圏オゾンは酸化力が強く、その化学的性質は植物、とりわけ作物収量に悪影響を及ぼし、特に食料供給という観点で懸念されている。本研究課題では、全世界を対象に大気汚染規制と気候変動対策の両対策による大気汚染(対流圏オゾン濃度変化)を通じた食料安全保障へ影響軽減効果を明らかにすることを目的としていた。1年目には作物収量への影響を明らかにし、2年目は1年目の成果を踏まえ、世界を対象に気候変動と気候変動緩和策とそれに伴うオゾン濃度の変化による作物収量変化を通じて、それらが食料消費や飢餓リスク人口に及ぼす影響を明らかにした。結果として、強い気候変動対策を実施したとき、世界全体で飢餓リスク人口は気候変動影響により約980万人増加する一方、オゾン濃度軽減により約550万人減少し、合計で約380万人の増加となった。オゾン濃度軽減による飢餓リスク人口の減少は現在も深刻な飢餓に直面している地域であるインド、その他アジアなどで大きくみられた。この副次的便益は途上国を中心に気候変動対策の導入へのインセンティブになるといえる。以上の内容を論文としてとりまとめ、現在地球環境シンポジウムへ投稿中である。以上のように、本課題は当初の目的を予定通りに達成できている。
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すべて 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 13件、 査読あり 16件、 オープンアクセス 17件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
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