本研究は、世界的なエネルギー転換に伴う資源採掘量の変化を詳細かつ包括的に解析することで、持続可能な資源利用を伴った気候変動緩和策の実装支援を目的として研究を進めた。主要な研究成果として、発電部門のエネルギー転換は資源採掘量を削減するのに対し、運輸部門は特定の金属需要増加によって、資源採掘量を2050年にかけて倍増させることを初めて明らかにした。また、鉱山開発モデルを援用することで、資源採掘量増加の32-40%が資源ガバナンスの貧弱な国で発生する可能性を確認した。一連の研究により、脱炭素技術導入下での責任ある資源管理のために、特に注視すべき技術・鉱種・国(ホットスポット)の特定に成功した。
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