研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、性質の異なる複数の人工衛星画像を統合利用し、森林消失のマッピングを行う手法を開発した。太陽光の反射を利用して画像を取得する衛星データ(光学データ)に加え、雲を透過して地上を観測できるマイクロ波衛星データを用いて、過去20年分の世界の複数の森林(カンボジア・ペルー)を観測した。各データを画像処理して推定された森林消失域の情報を機械学習的に統合し、時系列的に矛盾のない森林消失域のマッピングを実現した。
環境学
世界全体の森林面積は減少を続けており、とくに熱帯地域で大規模な森林減少が報告されている。開発された手法で、雲に覆われがちな熱帯林においても、従来よりも高頻度な定期観測が実現しうる点で、気候変動・生物多様性・水循環など様々な関連分野における社会的意義がある。また、複数衛星データの柔軟な統合手法は、今後ますます各国の衛星データがアーカイブ化・オープンフリー化されていく流れのなかで、衛星観測技術の発展にも資する学術的意義を有する。