研究課題
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易分解性溶存有機態リン(LDOP)は、栄養塩の乏しい海洋環境において生物生産を支える重要な化合物の一つである。本研究は、このLDOPが環境中へ供給される生物学的プロセスの一つとして、微小動物プランクトンの捕食による影響を初めて実証した。加えて、この捕食行動に伴うLDOP供給は現場濃度の変動を十分説明できるほど大きかったことから、LDOP動態そのものにおいても重要なプロセスであることが示唆された。
生物海洋学
海洋における溶存有機物、とりわけLDOPの動態については未だ不明な点が多いことから、その供給プロセスにおける微小動物プランクトンの捕食の重要性を定量的に評価したことで、その起源に迫る新規知見が得られた。一般に「海の砂漠」と称される貧栄養海域ではあるが、その全球的な生物生産の規模は大きく、今回それを支える栄養塩動態の一端が明らかになったことで、将来的に持続可能なよりよい海洋利用へ繋がると期待される。