研究課題/領域番号 |
19K24680
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
出馬 圭世 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (90761875)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自己 / 自己参照 / fMRI / ニューロイメージング |
研究実績の概要 |
本研究計画では以下の2つのプロジェクトを実施し、それぞれ以下の目的を達成する ; 1)自己参照に関する詳細な情報処理過程を解明する(プロジェクト1)、2)刺激が自己に当てはまる程度情報を処理する神経細胞群の存在を明らかにする(プロジェクト2)。プロジェクト1に関しては、現在実験計画・サンプルサイズ等の事前登録の準備を進めているところである。プロジェクト2に関しては既に実験を一つ終え、現在実験2を実施中である。現在既に終了している実験1の結果、提示される文字刺激(例、大学生、8月生まれ、など)が被験者自身のアイデンティティーにとって重要である程度に応じて内側前頭前野の活動パタンがシステマチックに変化するということを見出した。これは今までの自己研究が自己参照過程(刺激が自分に当てはまるかの程度を判断)にしか注目していなかったのに対し、本研究ではより主観的な自分にとっての重要性の程度が内側前頭前野で処理されているということを意味しており、自己のニューロイメージング研究に対し大きなインパクトを持つと考えられる。今後は実験2を実施しこの結果の頑健性を確認する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ポスドクを初年度から雇用する予定であったが、令和2年度中に着任し研究を開始できる適任者が見つからず研究が思うように進められなかった。ただし、現在のところ“刺激が自己に当てはまる程度情報を処理する神経細胞群の存在を明らかにする”プロジェクト(申請書におけるプロジェクト2)について、以前取得したデータ解析を終え興味深い結果を得ている。その結果の頑健性を確かめるために実験2を計画し、その事前登録を既に終え、現在fMRIデータを収集中である(現在被験者31名からデータを収集し、今後はあと10名ほどからデータを収集する予定)。 また“自己参照に関する詳細な情報処理過程を検討する”プロジェクト(申請書におけるプロジェクト1)についても現在事前登録の準備を進めており、早ければ6月からfMRIデータの収集を開始する。
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今後の研究の推進方策 |
上述したように今後はプロジェクト2のデータ収集を進め、その後データ解析・論文執筆・学会発表を行なっていく。またプロジェクト1については6月ごろからデータ収集を開始し、同様にその後データ解析・論文執筆・学会発表を行う。また福井大学との共同研究として、自閉症患者の自己概念についてのプロジェクトも新たに開始することを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
ポスドクの適任者が見つからなかったためそのあまった予算を次年度に繰り越し、令和3年度は当初の予定がポスドク2名の雇用であったところをポスドク3名を雇用する。
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