本研究は、遺伝子発現の重要な制御ステップであるゲノム転写とそれに共役するRNAプロセシング機構の理解を目標に掲げ、それに必要な解析方法の開発と医学的に役立つ知見を得ることを目的とした。まず、転写されたばかりのRNAを解析可能なPOINT法論を確立に成功した。POINT法により、正確な転写開始点、RNA切断点、スプライシングのキネティクスを明らかにした。また、発生段階における選択的スプラシングの重要性も明らかにした。さらには、大腸がんや腎臓がんにおける転写終結破綻機構についても新たな知見を得た。本研究の成果は、基礎生物学の発展に貢献するだけでなく、がん等の病気の治療法の開発に役立つ可能性がある。
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