研究課題/領域番号 |
19KK0002
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三成 寿作 京都大学, iPS細胞研究所, 特定准教授 (60635332)
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研究分担者 |
西條 玲奈 大阪大学, 文学研究科, 助教 (10768500)
木村 めぐみ 公益財団法人未来工学研究所, 研究センター, 研究員 (50711579)
日比野 愛子 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (00511685)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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キーワード | ELSI / パブリック・エンゲージメント |
研究実績の概要 |
本年度においては、科学コミュニケーションやパブリックエンゲージメントに関する学術的・実践的な取組みについて文献・資料調査を実施した。しかしながら、当初計画していた英国への訪問調査は、新型感染症の影響により、本年度も延期することとなった。英国のAnna Middleton教授の研究チームとは、オンラインでのミーティングやメールを通じて意見交換を図り、研究内容や今後の方向性等について議論した。本年度は、主にゲノム研究と社会との関係性に関して2つの論点に焦点を当てた。1つは、ゲノム研究の推進における社会的な信頼・信用のあり方であり、もう1つは、研究で得られたゲノム情報の研究参加者への提供・返却における意味・意義である。特に後者に関しては、論点自体は新しいというものではないが、科学技術の進展や社会環境の変化により、以前よりも実社会への影響が増大している。ゲノム研究に関して、日本では2010年頃より次世代シークエンサーが本格的に導入され、個々人のゲノム情報を抽出・活用できるになり、現在では、膨大なゲノム情報を利活用できる状況に至っている。このような研究環境の変化により、ゲノム研究に試料を提供した研究参加者にこのようなゲノム情報を提供・返却すべきかが問われ始めている。実際、米国では、大規模ゲノムコホートであるAll of Us Research Programに代表されるように、どのようなゲノム情報を研究参加者に返却・提供する必要があるかについて積極的に検討する動きがある。本年度の研究により、ゲノム情報の提供・返却に関する意向・態度は、国際的には多様性が認められるため、このような方針は文化的・社会的背景等を重視しつつ検討される必要があることを言及した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
英国を中心に、科学コミュニケーションやパブリック・エンゲージメントの取組について検討できているが、現地への訪問調査については実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も、本課題に関する文献・ヒアリング調査を継続する。特に、歴史的視点や国際的視点を重視して取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:新型コロナの影響により英国への訪問が困難であったため。 使用計画:次年度の情報収集等において使用する。
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