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2023 年度 実施状況報告書

ソウル大学校所蔵19世紀草双紙の研究-合巻を中心にー

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0009
研究機関実践女子大学

研究代表者

佐藤 悟  実践女子大学, 文学部, 教授 (50178729)

研究分担者 高木 元  大妻女子大学, 文学部, 教授 (00226747) [辞退]
神林 尚子  大妻女子大学, 文学部, 准教授 (20759485)
松原 哲子  実践女子大学, 研究推進機構, 研究員 (70796391)
山本 和明  国文学研究資料館, 研究部, 教授 (90249433)
研究期間 (年度) 2019-10-07 – 2025-03-31
キーワード合巻 / 高精細デジタル顕微鏡 / 国書データベース / 偐紫田舎源氏 / 米粉 / コウゾ / ミツマタ / 再生紙
研究実績の概要

研究分担者の髙木元千葉大学名誉教授、山本和明国文学研究資料館、松原哲子国文学研究資料館准教授、研究協力者の李俊甫大阪大学院生、崔京国明知大学校教授、洪晟準檀国大学校准教授、金美眞蔚山大学校准教授らと共同研究を進めた。前記の研究分担者と7月にソウル大学校の調査を行ない、8月には金准教授、全州大学校片龍雨教授を訪問して2024年12月に蔚山大学校で実施する第14回絵入本ワークショップの準備を進めた。1月には来日した国民大学校金賢旭教授とも共同研究の協議を行った。2月には蔚山において洪教授が担当する2024年5月にソウル大学校で開催される東アジア日本学会で今回の成果を佐藤と山本教授が発表することが決定した。さらに絵入本ワークショップの日程、発表者についての協議を行った。
国内ではソウル大学校に所蔵される合巻と同じ書名の資料についての研究を進めた。国内でも実践女子大学と国文学研究資料館以外での調査は困難で、個人蔵の合巻を対象に進めているものものある。
2023年度においてソウル大学校の合巻調査はほぼ修了し、今後は多少の修正のための調査が必要となるという段階まで来た。調査成果は国文学研究資料館のサーバーにより公開予定で、ソウル大学校の事務当局の内諾を得ている。2024年5月に研究分担者の山本教授と最終決定のために訪韓する予定である。
また研究分担者、研究協力者、及びケンブリッジ大学等海外大学院生が参加してzoomで開催される合巻研究会を、4月7日、5月12日、11月29日、3月22日に実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍により韓国への渡航が困難になっていたが、ビザなし渡航が可能になるなど、研究条件が改善された。
主な調査対象であったソウル大学校の合巻についても、調査がほぼ終了した。研究調査のインターネット公開についてもソウル大学校が好意的で、実現に近づいている。
学会、ワークショップ等の準備も順調で、2024年度に成果を発表することが可能となった。
また研究代表者、分担者、協力者のネットワークもうまく機能し、研究会の開催も定期的に実施できている。
上記のことから、韓国内に草双紙の研究拠点を形成するという当初の目標をほぼ達成していると判断される。

今後の研究の推進方策

ソウル大学校の草双紙目録の校正を行ない、必要箇所の訂正を行う。そのための渡韓は必要である。
また高精細デジタル顕微鏡による研究をさらに推進する。韓国内の高精細デジタル顕微鏡をソウル大学校で使用する目途がまだ立たないので、国内の同種の本の分析を進める。檀国大学校がこの方法に関心を持っているので、協力関係の構築に努める。
2024年5月25日に開催される東アジア日本学会において、ソウル大学校で発見され『偐紫田舎源氏』の藍摺本に関する問題を提起するため、佐藤は「『偐紫田舎源氏』の諸本」という発表を行う。これは国文学研究資料館が公開している国書データベースと組み合わせることによって、『偐紫田舎源氏』の出版治定を明らかにするという、新しいデータベース・高精細デジタル顕微鏡・従来の国文学研究を融合させた新しい研究方法を提示するものとなる。
12月20日から23日に開催される絵入本ワークショップでは韓国内の若手研究者を中心に研究発表が行われる予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で韓国への渡航が不可能となり、また今年度は韓国への旅費が国文学研究資料館の負担となったものもあり、次年度へ繰り越す金額が多くなった。そのため2023年度が研究終了年度であったが一年繰り越すこととなった。
2024年度については、韓国での学会発表、ワークショップの開催に使用する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] 明知大学校/檀国大学校/蔚山大学校(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      明知大学校/檀国大学校/蔚山大学校
  • [国際共同研究] フランス国立極東学院(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      フランス国立極東学院
  • [雑誌論文] 江戸期における十二単の変遷―『筐底秘記』を中心に現代の装束に至る2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤悟
    • 雑誌名

      古典の再生

      巻: 1 ページ: 195~228

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Lifecycle of Stories: The Question of Sekai in Gokan2024

    • 著者名/発表者名
      Sato Satoru、Feilden Frederick
    • 雑誌名

      Graphic Narratives from Early Modern Japan:The World of Kusazoshi

      巻: 77 ページ: 405~444

    • DOI

      10.1163/9789004691209_013

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『近世物之本江戸作者部類』における読本と「物の本」2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤悟
    • 雑誌名

      国語と国文学

      巻: 100-11 ページ: 121~137

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 近世戯作の洋装本化2023

    • 著者名/発表者名
      山本和明
    • 雑誌名

      書物学

      巻: 24 ページ: 78~85

    • 国際共著
  • [雑誌論文] 安永期の際物草双紙と異例製本 : 「一丁表」のありか2023

    • 著者名/発表者名
      神林尚子
    • 雑誌名

      日本文学研究ジャーナル

      巻: 26 ページ: 116~130

    • 査読あり
  • [学会発表] 偐紫田舎源氏の諸本2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤悟
    • 学会等名
      東アジア日本学会
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 古典の再生2024

    • 著者名/発表者名
      盛田 帝子
    • 総ページ数
      448
    • 出版者
      文学通信
    • ISBN
      978-4-86766-042-3

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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