研究課題/領域番号 |
19KK0015
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
杉浦 未樹 法政大学, 経済学部, 教授 (30438783)
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研究分担者 |
鈴木 英明 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 准教授 (80626317)
小林 和夫 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (00823189)
島田 竜登 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80435106)
守川 知子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (00431297)
松方 冬子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (80251479)
飯島 真里子 上智大学, 外国語学部, 准教授 (10453614)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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キーワード | グローバルヒストリ― / 循環 / マテリアリティ / 環境史 / 文化 / 区分 / 世界史 / アフリカ |
研究実績の概要 |
本研究はイギリスのウォーリック大学のグローバルヒストリ―・カルチャー・センターに所属する研究者と日本の研究者との間の国際共同研究である。訪問交流を積極的に活用した研究計画をたてていたが、本年度はこの計画を大幅に変更し、オンラインミーティングを中心とした交流へと切り替えた。史料討論班A(17~19世紀を対象)は、グローバルヒストリ―における区分や分類を再検討する二回の国際会議をさらに発展させて、史料内の具体的な言葉を一つとりあげて、その変遷を論じる目的で、複数年度にわたって研究会を発足させることを計画した。10月、1月と二回のミーティングを得て、2021年5月24日に全体会議を行う。史料討論班B(20世紀)は戦間期の日本のアフリカにむけられた領事報告に関する共著執筆にむけて月例会議をオンラインで年度後半から開始した。翻訳された基本史料を読み、メンバー全員で討議するほか、主要な関連論文を輪読することを重ねて、共通の問題視角を構築しようとしている。 ウォーリック大学以外との機関の交流として、オランダのユトレヒト大学の繊維製品の循環を問題とするグローバルヒストリ―グループとの国際会議「Dutch Textiles in Global History」を開催した。当初は秋に予定していたが、年度末の3月にうつし、二日間、15人の研究者が発表した。のべ80人以上の視聴者が参加し、活発な議論が行われた。成果を学術論文雑誌への投稿や論文集の発刊につなげようと計画中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画には三つの柱があり、一つめが多人数グループでの史料検討、二つめが少人数グループでの共著論文、三つめがウォーリック大学に訪問滞在しての個別研究発表およびサマースクールであった。このうち最初の史料検討は、オンラインに切り替えて立て直しをはかり進めることができたが、二つめの共著論文については、すでに決定していたペアによる共著論文は対面してミーティングする計画をずらす必要が生じ、また検討していたペアも計画がたてられずすすめることができなかった。そこで、一つめの史料検討へ重点をおく方向へ切り替えをはかっている。他機関の研究グループとの接合をはかり、史料検討を長期的なプログラムとして、期間にわたって、ミーティングを複数行うことにした。三つ目の訪問滞在は、年度ごとに1-2人の研究者を1週間程度送るつもりであったが、コロナ禍の影響で見送った。渡航可能になるまで延期している。また博士課程在籍者を募って米独仏の大学とのサマースクールを計画し、日本側の候補者を3名決定したが、こちらも2020年に開催できず、2021年中の開催も見通しがたっていない。その分の予算は保留してある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、以下のような計画である。第一に、5月24日 に日英11名のメンバーとともにJapan-Warwick Source Discussion Terms in Circulation and Categories at Work , 1600-1930を開催する。ここで全員が個別テーマを5分ずつ発表する。その後2021年度後半、2022年度後半にこれにもとづいた研究ミーティングを行い、最終的には論文集として刊行することをめざす。第二に、日本の領事報告を史料検討して、共著を目指す班は、月例ミーティングを続け、本の骨格を年度半ばまでに具体化する。この議論を拡大し、2020年度に開催した国際会議と連結させる形で、戦間期の領事報告をめぐるオンライン研究会を開催する。第三に、共著論文については、EUIへ出向中のGiorgio Riello氏と小林和夫氏が藍の循環をテーマに、またミズーリ大学へ赴任したRobert Fletcher氏と鈴木英明氏の間で循環を前提とした海陸空の地域設定をテーマに共著論考進めて、投稿を用意する。第四に、ウォーリック大学のセミナーでの個別研究者の発表について、松方冬子氏の発表を開催が可能になり次第行う。また、博士課程向けのサマースクールについても、何らかの形での開催をめざして協議に入る。
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次年度使用額が生じた理由 |
渡航計画、サマースクール開催が延期されたため。いずれも対面で行うことを前提としているので、来年度がまだ難しいようであれば、それ以降に順延する。
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