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2020 年度 実施状況報告書

ユーラシアにおける土器出現の生態史

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0017
研究機関中央大学

研究代表者

小林 謙一  中央大学, 文学部, 教授 (80303296)

研究分担者 國木田 大  北海道大学, 文学研究院, 准教授 (00549561)
遠部 慎  島根大学, 法文学部, 客員研究員 (50450151)
下釜 和也  (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (70580116)
研究期間 (年度) 2019-10-07 – 2025-03-31
キーワード炭素14年代測定 / 同位体比 / 先史年代体系 / 土器の出現
研究実績の概要

後述するように海外への渡航ができないため、国内の試料収集を進めた。2020年度は、特に関東の東京都内旧石器時代の年代資料、東京・神奈川・千葉の縄紋前半期、中部地方の縄紋期資料、東北地方の縄紋期資料について多数のデータを集めるとともに、直接年代測定をおこなった。
土器出現の問題と別に定住化の出現についても、縄紋時代草創期の集落である静岡県富士宮市大鹿窪遺跡において、富士宮市教育委員会の協力を得て多数の炭化物試料を調査地から採取した。こっれらは、大鹿頸の集落において少なくとも5軒以上の住居が構築されていく過程と、その間に設置された調理用の集石遺構に伴う炭化物を20点以上採取しており、今後測定していく予定であるが、炭化物が微少で弱いため、その試料処理・測定方法についても工夫を重ねているところである。
測定としては、AMS年代測定、IRMS同位体測定の他、年輪年代、酸素同位体比、熱ルミネセンス測定、古地磁気測定もおこなっている。
ケンブリッジ大学・ヨーク大学ほかの海外の研究者とは6月に2日間かけてオンラインでの打合せをおこない、韓国・イラン・ロシアの研究者とはメールやオンラインでの打ち合わせをおこなった。分担者とは随時研究打ち合わせを個別におこなったほか、2021年2月にオンライン会議で全般的な統括と今後の打ち合わせをおこなった。
ケンブリッジ大学エンリコ講師とは、遺跡データ解析と人口動態モデルの組み方、さらには年代値の解析についての議論を深めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス拡散防止に伴う海外渡航の自粛に伴い、予定していた、韓国での試料収集、イギリスでの研究打ち合わせとデータ入力・プログラミング、中近東やロシアへの事前調査がおこなえなくなったため、大幅に研究の進展は遅れている。海外協力者との打ち合わせはオンラインでおこなっているが、実際のサンプリング等は不可能である。代替として、対比される国内の試料収集と年代測定は進めているため、日本国内カウチの土器出現期のデータや定住化に関わるデータは予定以上に進んでいるが、国外のユーラシア各地での試料収集と、ケンブリッジ大学と共同研究する年代値を解析しながらシミュレーションする人口動態研究については、予定には大きく遅れている。

今後の研究の推進方策

国内の試料収集も続け、日本列島での年代体系化は旧跡時代~縄紋時代前半期にかけてを中心に、より一層進める。遅れているユーラシア各地を目した海外の試料収集と、ケンブリッジ大での共同作業については、打ち合わせと準備は進めているので、渡航が可能となってから海外の試料収集を進める予定である。海外については、既に計画している韓国、イラン、シベリアの情報収集を進めるとともに、中国についての情報収集も予定する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス拡散防止に伴う緊急事態宣言により、出張等が中止・延期された。特に海外への資料調査やサンプリングは全くできなかったため、そのための旅費等は2020年度は全く執行できなかった。予備的な調査や打ち合わせはオンラインで進めてきたが、実際に現地にて確認しながらサンプリグしなくてはならないため、その主張費は持ち越しとした。
2021年度にコロナウイルスの感染状況を注視の上、渡航可能となったら、予定していた韓国、イラン、シベリアなどへのサンプリング・資料調査、イギリスケンブリッジ大学エンリコ講師との共同研究での年代測定値に基づく人口動態モデル構築について、出張を実施していく予定である。

備考

年代測定データ一覧を公表。科研費他の成果一覧を公開。

  • 研究成果

    (22件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (5件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] University of Cambridge/University of East Anglia/University of York(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University of Cambridge/University of East Anglia/University of York
    • 他の機関数
      1
  • [国際共同研究] University of California/Gettysburg College(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University of California/Gettysburg College
  • [国際共同研究] 韓神大学校/釜山大学校/釜山博物館(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      韓神大学校/釜山大学校/釜山博物館
    • 他の機関数
      1
  • [雑誌論文] 荒海貝塚の年代測定 中央トレンチと南北トレンチ18I区出土土器付着炭化物の分析2021

    • 著者名/発表者名
      小林謙一
    • 雑誌名

      国立歴史民俗博物館研究報告

      巻: 227 ページ: 399-406

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 縄紋時代前期土器付着物の同位体比の検討2021

    • 著者名/発表者名
      小林謙一
    • 雑誌名

      中央大学文学部紀要 史学

      巻: 66 ページ: 1-38

  • [雑誌論文] 地蔵ヶ淵洞穴の人骨の年代学的研究2021

    • 著者名/発表者名
      遠部慎・畑山智史・米田穣・坂本彰・小林謙一
    • 雑誌名

      中央史学

      巻: 44 ページ: 1-15

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 石瀬貝塚の人骨の年代学的研究2021

    • 著者名/発表者名
      遠部慎・畑山智史・米田穣・小林謙一
    • 雑誌名

      とこなめ陶の森 研究紀要

      巻: 3 ページ: 13-28

  • [雑誌論文] 上黒岩岩陰・第2岩陰の縄文早期人骨2020

    • 著者名/発表者名
      米田穣・覚張隆史・小林謙一・遠部慎・奈良貴史
    • 雑誌名

      季刊考古学別冊

      巻: 32 ページ: 46-50

  • [雑誌論文] 遺跡報告 愛媛県上黒岩第2岩陰遺跡の調査2020

    • 著者名/発表者名
      遠部慎・小林謙一・奈良貴史・米田穣・及川穣
    • 雑誌名

      日本考古学

      巻: 50 ページ: 53-60

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 徳島県矢野遺跡出土土器付着物の炭素14年代測定研究―縄紋時代後期前半を中心に―2020

    • 著者名/発表者名
      小林謙一
    • 雑誌名

      人文研紀要

      巻: 96 ページ: 183-206

  • [雑誌論文] 天神段遺跡・宮脇遺跡出土試料の炭素14年代測定 ―大隅地方中部における押型紋土器の年代的位置付け2020

    • 著者名/発表者名
      小林謙一・立神倫史
    • 雑誌名

      鹿児島県立埋蔵文化財センター 研究紀要・年報 縄文の森から

      巻: 12 ページ: 24-29

  • [雑誌論文] A multi-proxy inference of J?mon population dynamics using bayesian phase models, residential data, and summed probability distribution of 14C dates2020

    • 著者名/発表者名
      Crema Enrico R.、Kobayashi Ken'ichi
    • 雑誌名

      Journal of Archaeological Science

      巻: 117 ページ: 105136~105136

    • DOI

      10.1016/j.jas.2020.105136

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 森西貝塚の自然遺物の年代学的研究2020

    • 著者名/発表者名
      遠部慎・畑山智史・米田穣・小林謙一
    • 雑誌名

      伊勢湾考古

      巻: 29 ページ: 49-58

  • [学会発表] 中部高地の脂質分析―縄文時代前期から後・晩期にかけて―2020

    • 著者名/発表者名
      小林謙一・山本真也・佐野隆・宮内信雄・堀内晶子・宮田佳樹
    • 学会等名
      日本考古学協会第86回総会
  • [学会発表] 縄紋時代草創期の年代・環境変動と定住化の評価2020

    • 著者名/発表者名
      小林謙一
    • 学会等名
      静岡県考古学会シンポジウム
    • 招待講演
  • [図書] 樹木・木材と年代研究2021

    • 著者名/発表者名
      坂本 稔、横山 操
    • 総ページ数
      164
    • 出版者
      朝倉書店
    • ISBN
      978-4-254-53568-6
  • [図書] 最新科学で探る日本史2021

    • 著者名/発表者名
      安蒜 政雄、門脇 誠二、神澤 秀明、小林 謙一、篠田 謙一、播田 安弘、平林 純、藤尾 慎一郎、北條 芳隆、本郷 和人、森下 章司、山村 竜也
    • 総ページ数
      96
    • 出版者
      宝島社
    • ISBN
      978-4-299-01525-9
  • [図書] 考古学と歴史学2020

    • 著者名/発表者名
      小林 謙一
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      中央大学出版部
    • ISBN
      978-4-8057-5357-6
  • [図書] 気候変動から読みなおす日本史 第3巻2020

    • 著者名/発表者名
      中塚 武、若林 邦彦、樋上 昇
    • 総ページ数
      310
    • 出版者
      臨川書店
    • ISBN
      978-4-653-04503-8
  • [図書] 中央大学考古学論集12020

    • 著者名/発表者名
      中央考古学会
    • 総ページ数
      344
    • 出版者
      六一書房
    • ISBN
      978-4-86445-130-7
  • [備考] 中央大学小林謙一ゼミ

    • URL

      http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~atamadai/

  • [学会・シンポジウム開催] ENCOUNTER Workshop2020

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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