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2022 年度 実施状況報告書

インド洋西域島嶼社会における包摂・接合・分離をめぐる共和制と多元問題の共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0021
研究機関東京外国語大学

研究代表者

深澤 秀夫  東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (10183922)

研究分担者 長谷川 秀樹  横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (20322026)
花渕 馨也  北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (50323910)
中村 千尋 (渡辺千尋)  中央大学, 経済学部, 准教授 (50737476)
森山 工  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70264926)
研究期間 (年度) 2019-10-07 – 2025-03-31
キーワードインド洋地域研究 / フランス共和制 / 多元性問題 / コミュノタリスム論 / ライシテ論
研究実績の概要

2022年度、深澤秀夫は同年11月フランス海外県レユニオンにおいてマダガスカル系住民をめぐるコミュニュタリスム論の存在と生成をめぐる情報を臨地調査において収集し、「レユニオンにおいてコミュノタリスム論は存在しない」とのフランス人行研究者ヴァルジェスの主張を追認する結果を得た。
森山工は、文献に基づいてマルセル・モースの贈与をめぐる考察と彼自身の組合運動をめぐる実践との相互連関を明らかにし、一般図書としてその成果を公表した。モースの社会思想の解明は、フランス本国における戦間期思潮の展望と分析に資するものであり、フランス共和制の考察を目指す本研究にとっても重要な基調研究を構成する。
花渕馨也は、2023年3月にフランス・マルセイユ市内においてコモロ系移民が組織する同郷組合活動についての臨地調査を実施し、コロナ禍の活動停止期間を経て、同組合活動に変化が生じている事を見出した。
長谷川秀樹は、2022年12月にレユニオンおよびモーリシャス・ロドリゲスにおいてエスニック状況と社会統合形態についての臨地調査およびモーリシャス国立歴史博物館において文献調査を実施した。
中村千尋は、第一次世界大戦以降のフランス本国と同植民地間の人の移動に関する文献調査を実施し、フランス労働省の官僚として労働力政策に関与すると共に、パリ大学法学部教授をもつとめたウィリアム・ウアリドの文献や論文を収集し、彼の移民をめぐる考え方に関する歴史的分析を行った。その成果は、2023年10月刊行予定の中央大学経済学部紀要上にて発表予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2022年8月に、対コロナウィルス防疫措置が日本およびフランス本国や海外県、或いはマダガスカルにおいて緩和された結果、本研究が対象とする地域における現地調査が可能となった。しかしながら、その時点から渡航計画を策定した結果、2022年度に海外調査を実施できたのは、三人だけとなった。
しかしながら、2020年度と2021年度の二年間、コロナウィルス感染症により海外調査を全く実施できなかったため、本科研費研究の進捗は当初計画よりもかなり遅れており、まだ本科研費に係わる事象の情報収集段階に留まっている。

今後の研究の推進方策

2023年度は、コロナウィルス感染症の再活発化や他の感染症の急速な世界的蔓延が無い限り、フランス本国・フランス海外県・マダガスカル・コモロにおける臨地調査の実施に係わる支障の発生は現時点で予想されていない。そのため2023年度以降は、研究分担者全員が海外における臨地調査や文献資料調査を行う計画である。
しかしながら、上記で述べた事情により2020年度・2021年度および2022年度の三年間にわたる研究の進捗に遅れが生じているため、本研究の終了年度を2024年度からさらに1年以上遅らせざるをえない事が、本研究にかかわる研究者全員の間で合意されている。

次年度使用額が生じた理由

2022年8月の時点で、コロナウィルス防疫対策が日本および本科研費調査対象国であるフランス・マダガスカル・コモロ・フランス海外県レユニオンにおいて大幅に緩和され、渡航と現地調査が可能となった。しかしながら、所属機関において授業や業務を担当する本科研費メンバーの内二名は、2022年度に海外における調査時間を確保する事が困難であったため、次年度使用額が発生した。
2023年度以降は、科研費メンバー全員が海外における調査が可能であると共に、研究全般の遅れに鑑み、本科研費研究の終了年度を遅らせる事を検討しているため、以後の予算執行計画に問題はない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] Universite d' Antananarivo/Universite de Toamasina(マダガスカル)

    • 国名
      マダガスカル
    • 外国機関名
      Universite d' Antananarivo/Universite de Toamasina
  • [国際共同研究] Universite de La Reunion(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      Universite de La Reunion
  • [雑誌論文] マダガスカルにおける在来稲作技術から見た新規稲作技術-SRA・「緑の革命」・SRI・PAPRiz-をめぐるイノベーションについての考察2022

    • 著者名/発表者名
      深澤 秀夫
    • 雑誌名

      アフリカ研究

      巻: 101 ページ: 9 - 20

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ディアスポラ・コモリアンヌの同郷組合活動を通じたトランスナショナルな共同体の形成2022

    • 著者名/発表者名
      花淵 馨也
    • 雑誌名

      日仏社会学会年報

      巻: 33 ページ: 17 - 30

    • 査読あり
  • [学会発表] マダガスカルにおける王制・王国の歴史と現在2023

    • 著者名/発表者名
      深澤 秀夫
    • 学会等名
      在マダガスカル邦人会
    • 招待講演
  • [学会発表] Becoming a sub-natonal island jurisdiction: comparing Corsica(France), OKINAWA(JAPAN) and Rodrigues(Mauritius)2022

    • 著者名/発表者名
      長谷川 秀樹
    • 学会等名
      Japanese Society of Island Studies
    • 国際学会
  • [学会発表] 移民政策に関する社会経済史的分析:大戦間期フランスの経験から2022

    • 著者名/発表者名
      中村 千尋
    • 学会等名
      中央大学経済学部第2回研究会
  • [図書] 「贈与論」の思想:マルセル・モースと<混ざりあい>の倫理2022

    • 著者名/発表者名
      森山工
    • 総ページ数
      356
    • 出版者
      インスクリプト
    • ISBN
      978-4900997981

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公開日: 2023-12-25  

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