研究課題/領域番号 |
19KK0023
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
齋藤 剛 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (90508912)
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研究分担者 |
鳥山 純子 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (10773864)
大坪 玲子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (20509286)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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キーワード | 中東 / ムスリム / グローバル移動 / 民衆文化 / 教育 / 嗜好品 / 文化遺産 / 社会関係 |
研究実績の概要 |
令和2年度は、教育、嗜好品、ジェンダー、民衆文化といった切り口から、グローバル化の中での社会関係の複合的再編をめぐる検討を進めた。当該年度の成果としては、まず、研究代表者である齋藤が編者の一人となり、分担者の大坪、鳥山、海外研究力者のブスケンスの研究成果を収めた論集Sur la notion de la culture populaire au Moyen Orientの刊行を挙げることができる(2021年3月)。 これに加え、鳥山とブスケンスは、10th International Conference of Museums for Peaceにおいて、“Between Heritage and Peace”と題したパネル・セッションを組織し、成果報告を行なった(2020年9月、京都・オンライン開催)。 さらに、2021年2月には、大坪が招聘・企画依頼を受けて立案したシンポジウム「境界を楽しむ:中東・イスラーム世界の嗜好品」が開催され、大坪と鳥山がそれぞれ成果発表を行なった(大阪:国立民族学博物館現代中東地域研究拠点、オンライン開催)。 これらに加えて、大坪は人工知能学会において小田淳一氏(東京外国語大学)と共に成果発表し(2021年3月)、2020年度研究会優秀賞を受賞した。また、鳥山はカナダのBalsillie School of International Affairs におけるセミナーGlobal Insightsにおいて成果発表を2020年9月 に行ない、アメリカ合衆国の政治学者から高い評価を受けた。齋藤は、研究成果公開促進費を受けて出版された『ジェンダー暴力の文化人類学』(共著、2021年3月)において研究成果を発表した。 以上のように班員それぞれが中心となって国際共同研究やシンポジウム、パネルの組織を実施し、議論の深化、成果発表を進めてきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究代表者、研究分担者全員と海外研究協力者のブスケンスの論考を収めた論集Sur la notion de la culture populaire au Moyen Orientが、査読を経てSenri Ethnological Reports No.152として刊行されているほか、鳥山とブスケンスが企画したパネル・セッションの国際学会での実施、大坪が企画したシンポジウムの開催による成果発表、それら以外の国際的な研究発表や国内学会における成果発表と受賞、研究成果公開促進費による論集出版(『ジェンダー暴力の文化人類学』共著)など、数多くの成果を挙げることができた。 同時に、令和3年度に向けた準備を進めており、海外協力者のエイモン・クレイユ、ムスタファー・アブダッラー達とも毎週コンタクトを継続して取っているほか、国際ワークショップに向けた読書会を開催している。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度には国際ワークショップの開催を企画している。その準備として令和3年初頭より、毎月1回のペースで読書会を開催し、招聘予定の研究者および、国際共同研究に関わる研究主題についての理解を深めるべく議論を重ねている。また、海外協力者ブスケンスが中心となった国際シンポジウム開催の計画(モロッコ・ラバト市で開催予定)も昨年度より進められており、複数の共同プロジェクトを進行させていく予定である。 この他、共同研究に関わる文献資料の収集に務めるとともに、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大状況をみつつ、年度後半には可能であれば現地調査および対面での研究打ち合わせ、研究会合の開催を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、現地調査および国際研究集会の開催が困難となったため。当面の間は、オンラインを活用した研究会合と、文献資料の収集などを通じて共同研究を進めつつ、対面での国際・国内研究集会および現地調査の実施に向けた準備も同時並行で進めて行く。海外での調査・研究会議の開催が可能となった段階から速やかに現地調査および対面での国際研究会合の開催を実施する。
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