研究課題
令和5(2023)年度には、海外研究協力者であるレオン・ブスケンス(ライデン大学・教授/オランダ・モロッコ研究所・所長)との共同研究を一層進展させた。2023年8月には、モロッコにおいて、オランダ・モロッコ研究所との共同開催でTaste of Knowledge #3と題した国際シンポジウムを実施した。ライデン大学(オランダ)やバイロイト大学(ドイツ)に所属する研究者も参加し、国際的な研究ネットワークの深化と拡大の場となった。ブスケンス氏とは2024年1月の日本招聘時にも氏の講演会だけでなく、研究成果刊行(英語論集、Brillより出版予定)に向けた打ち合わせを持った。また、海外研究協力者であるムスタファー・アブダッラー氏(ベルリン自由大学、ドイツ)も日本に招聘し、西アフリカからのメッカ巡礼を主題に、国際移動がローカルな社会にもたらす影響を討議した。さらに現地調査、文献研究を継続して実施し、特に大坪は韓国、沖縄における調査を、また鳥山はモロッコでの調査を進め、ネットワークを拡大させた。こうした研究を通じ、ポスト・アラブの春以降、とりわけポスト・パンデミック下の中東諸国における多様なネットワーク形成が遺産化という新たな社会現象と密接に関連していることが明らかになった。コロナ渦を受け、本科研は当初の計画から諸点において修正を余儀なくされたが、国際共同研究を通じたネットワーク形成、その拡大と深化、成果発表に向けた取り組み、さらには新たな研究課題の発見に至るまで、重要な成果を上げることができた。こうした研究成果は、上記以外にもIUAES、East Asian Anthropological Association Annual Meetingを始め、国際学会や国際シンポジウム、ワークショップでなされたほか、移動を主題とした理論的検討と民族誌的研究として刊行された。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件) 図書 (3件) 学会・シンポジウム開催 (4件)
社会人類学年報
巻: 49 ページ: 111-134
エトセトラ
巻: 9 ページ: 84-89
ジェンダー研究
巻: 26 ページ: 134-135