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2019 年度 実施状況報告書

トイレを必要とする条件とは:狩猟採集民、農耕民、都市生活者の排泄と衛生条件の比較

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0026
研究機関総合地球環境学研究所

研究代表者

山内 太郎  総合地球環境学研究所, 研究部, 教授 (70345049)

研究分担者 林 耕次  総合地球環境学研究所, 研究部, 研究員 (70469625)
中尾 世治  総合地球環境学研究所, 研究部, 特任助教 (80800820)
彭 宇潔  国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, プロジェクト研究員 (70791218)
山口 亮太  静岡県立大学, 国際関係学部, 特別研究員 (80783422)
研究期間 (年度) 2019-10-07 – 2024-03-31
キーワードサニテーション / トイレ / 狩猟採集民 / 定住集落 / 住民組織 / NGO / カメルーン
研究実績の概要

初年度である本年度はおもに以下について実施した。
1.都市部:首都ヤウンデ市内の民家密集地区(2区、6区)を訪れ、サニテーションに関わる現地の状況視察やそれらに関連した住民組織の活動についての聞き取り調査をおこなった。また、以前より協力関係にある現地NGOとMOUを締結し、共同研究の体制を確立した。
2.地方都市:東部州において地域住民の衛生改善やトイレ普及をおこなっているNGO の協力で、農村地域でのサニテーション状況の現状把握とその改善方法について情報交換をおこなった。このNGOとの間にもMOUを締結し、今後の具体的なパイロットファームの運営を踏まえた共同研究の可能性について議論した。
3.狩猟採集民定住集落:東部州において、定住した狩猟採集民(BAKA)を対象としたサニテーションに関する現地調査をおこなった。トイレの設置や使用状況に焦点をしぼり、現地のNGOと連携しながら住民主導によるトイレ造りを始動した。
4.国際ワークショップの開催:首都ヤウンデにおいて、カウンターパートのヤウンデ第1大学在籍の研究者、NGO関係者らとカメルーンのサニテーションに関する国際ワークショップを開催した。キックオフワークショップとして、参加者のバックグラウンドについての自己紹介を兼ねつつ、今後の共同研究の可能性について議論した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度であるが、これまで20年以上の研究活動において知己であるNGOとMOUを締結し、今後の共同研究についての意見交換をおこなった。キックオフの国際ワークショップを開催できた。
地方都市周辺(東部州)で活動するNGOとの間にもMOU締結の準備をすすめ、2020年2-3月の渡航時にMOU締結を行うことができた。
さらに、狩猟採集民の定住集落において、トイレの有無や使用状況に関する調査を実施し、一部の集落において現地NGOの協力を得ながら、住民主体のトイレ造りを開始した。
また、ヤウンデ第1大学における工学系の実験室を案内してもらいながら、カメルーンにおける各種サンプルの分析について可能性を探ることができた。
以上のように、初年度(半年)において今後の研究の礎を築くことができたため、「概ね順調に進展している」と評価した。

今後の研究の推進方策

来年度(2年目)は、3か所の調査地において以下の活動を予定している。
1.都市部:首都ヤウンデ市内の民家密集地区(2区、6区)において、サニテーションに関わる住民組織の活動記録を収集・整理する。同時に、現地NGOに協働しぎながら、当該地域管轄の行政担当者との協議を進める。
2.地方都市:東部州のNGOと協働して、協力が得られた農村におけるサニテーション環境の整備と排泄物の有効利用について試験的なパイロットファームの計画を進める。また、過去にNGOの活動で設営した農村地域におけるトイレについて、現在の使用状況や住民の意識・健康について調査を実施する。
3.狩猟採集民定住集落:東部州において、狩猟採集民の定住集落においてサニテーションに関する現地調査を継続する。具体的には、トイレの設置や使用状況の調査を進めながら、手洗いや飲料水の利用にも関連して、サニテーションをとりまく環境教育の普及について現地のNGOと協働して実施する。

次年度使用額が生じた理由

初年度は採択後の期間で、当初の予定通り本研究予算でのメンバーの渡航が叶わなかった。次年度において、研究協力者を含めた1回、あるいは2回の渡航を予定しており(夏期~秋期、来春2-3月)、上記研究の実施を進める。
また、現地カウンターパートの研究者、並びにNGOに共同研究の依頼をしており、今後締結予定のImplementation AgreementとResearch Contractの内容に則った研究費の使用を予定している。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 図書 (5件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] ヤウンデ第1大学(カメルーン)

    • 国名
      カメルーン
    • 外国機関名
      ヤウンデ第1大学
  • [雑誌論文] Knowledge, attitudes and practices of sanitation and hygiene among primary school students in rural area of Northeast China2020

    • 著者名/発表者名
      He JB, Zeng Y, Hao M, Yamauchi T
    • 雑誌名

      Sanitation Value Chain

      巻: 4 ページ: 39~50

    • DOI

      10.34416/svc.00018

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] The relationship between dietary micronutrients intake and cognition test performance among school‐aged children in government‐owned primary schools in Kumasi metropolis, Ghana2019

    • 著者名/発表者名
      Annan Reginald Adjetey、Apprey Charles、Asamoah‐Boakye Odeafo、Okonogi Satoru、Yamauchi Taro、Sakurai Takeshi
    • 雑誌名

      Food Science & Nutrition

      巻: 7 ページ: 3042~3051

    • DOI

      10.1002/fsn3.1162

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Comprehensive assessment of handwashing and faecal contamination among elementary school children in an urban slum of Indonesia2019

    • 著者名/発表者名
      Otsuka Yumiko、Agestika Lina、Harada Hidenori、Sriwuryandari Lies、Sintawardani Neni、Yamauchi Taro
    • 雑誌名

      Tropical Medicine & International Health

      巻: 24 ページ: 954~961

    • DOI

      10.1111/tmi.13279

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Risk Factors for Undernutrition and Diarrhea Prevalence in an Urban Slum in Indonesia: Focus on Water, Sanitation, and Hygiene2019

    • 著者名/発表者名
      Otsuka Yumiko、Agestika Lina、Widyarani、Sintawardani Neni、Yamauchi Taro
    • 雑誌名

      The American Journal of Tropical Medicine and Hygiene

      巻: 100 ページ: 727~732

    • DOI

      10.4269/ajtmh.18-0063

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] サハラ以南アフリカにおけるサニテーション研究の現状と課題2019

    • 著者名/発表者名
      山内太郎、中尾世治、鍋島孝子、伊藤竜生、清水貴夫、ニャンベ・シコポ
    • 雑誌名

      アフリカ研究

      巻: 95 ページ: 27~32

    • 査読あり
  • [学会発表] Residence styles among small-scale societies: cases from central Africa and southeastern Asia2020

    • 著者名/発表者名
      Yujie Peng
    • 学会等名
      Society for Cross-Cultural Research Conference 2020
    • 国際学会
  • [学会発表] トイレが必要な条件とは?:カメルーンにおける森・農村・都市のサニテーションを事例に2019

    • 著者名/発表者名
      林耕次
    • 学会等名
      第7回アフリカ開発会議TICAD7
  • [学会発表] 蒸留酒と鱗翅目幼虫の経済的ポテンシャル:コンゴ民主共和国熱帯林における地域特産品の商品化と流通をめぐって2019

    • 著者名/発表者名
      山口亮太・松浦直樹
    • 学会等名
      日本アフリカ学会第56回研究大会
  • [学会発表] Monetary Marginality and Multiple-Currency in the Colonial Situation: Monetary Transition from the Cowry to the Franc in Upper Volta. International Workshop for the Economic History of Africa. Money in Africa: The economic and social history of the transitions from commodity to colonial currencies. 17 December 2019. University of Cambridge2019

    • 著者名/発表者名
      Nakao S
    • 学会等名
      International Workshop for the Economic History of Africa
    • 国際学会
  • [学会発表] Developing the sanitation value chain: co-designing future sanitation systems through community-based participation research2019

    • 著者名/発表者名
      Yamauchi T
    • 学会等名
      Zambia Water Forum and Exhibition (ZAWAFE) 2019
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 地球環境学の扉をひらく2020

    • 著者名/発表者名
      林耕次(共著)
    • 総ページ数
      59
    • 出版者
      総合地球環境学研究所
    • ISBN
      978-4906888689
  • [図書] コンゴ・森と河をつなぐ2020

    • 著者名/発表者名
      山口亮太(共著)
    • 総ページ数
      280
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      978-4750349817
  • [図書] 生き方としてのフィールドワーク2020

    • 著者名/発表者名
      中尾世治・杉下かおり(編)
    • 総ページ数
      344
    • 出版者
      東海大学出版部
    • ISBN
      978-4486021766
  • [図書] マルチグラフト2020

    • 著者名/発表者名
      清水貴夫(共著)
    • 総ページ数
      312
    • 出版者
      集広舎
    • ISBN
      978-4904213872
  • [図書] わかる公衆衛生学・たのしい公衆衛生学2020

    • 著者名/発表者名
      山内太郎(共著)
    • 総ページ数
      200
    • 出版者
      弘文堂
    • ISBN
      978-4335760211
  • [学会・シンポジウム開催] 日本ーカメルーン国際ワークショップ2020

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公開日: 2021-01-27  

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