研究課題/領域番号 |
19KK0029
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石川 知子 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (20632392)
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研究分担者 |
西川 由紀子 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (70584936)
山形 英郎 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (80222363)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2022-03-31
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キーワード | 安全保障 / 国際法 / 対内直接投資 |
研究実績の概要 |
本研究の中心テーマは、多様化かつグローバル化する安全保障上の脅威に対処するための国際協力枠組みの構築であるが、このアイディアに示唆を与えるごく最近の動きとして、2019年4月11日に発効したEUのFDI審査規則(Regulation (EU) 2019/452)につき、2020年2月、本研究の研究協力者であるBritish Institute of International and Comparative Law(BIICL)のYarik Kryvoi教授(シニア・リサーチ・フェロー)とともに、次の通り、現地調査をを行った。 - エネルギー憲章条約事務局での資料調査及び同事務局法律顧問のAlejandro Carballo Leyda氏へのインタビューを行い、今後の研究協力につき話し合うとともに、Energy Investment Risk Assessmentの資料提供を受けた。 - エネルギー憲章条約の交渉記録を精査し、同協定の安全保障例外の制定過程及びロシア(2009年に同条約の暫定適用を終了)によるエネルギー投資と安全保障との関係につき議論された記録の有無及び(ある場合には)その内容につき調査し、交渉記録のコピーを資料として持ち帰った。 - EU加盟国における中国・ロシア投資と安全保障との関係が問題となった事例、EUのFDI審査規則導入の背景及びその運用に係る政策及び法律問題(EU法及び国際法を含む)につき、ブリュッセル等における現地資料収集と共に、Sylvia Baule氏(欧州委員会貿易部会副部長)及びJoanna Warchol氏(欧州議会EPPグループ政策アドバイザー)を通じてEU関係者にインタビューを行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の研究協力者であるBIICLのYarik Kryvoi教授とともにブリュッセルにおいて現地調査を行なった点は計画通り進捗している。 また、研究代表者は本研究テーマにつき海外での研究発表を3回行っており、発表に対し得られたフィードバックを今後の研究につなげる予定である。 他方、海外研究協力者及び研究代表者は、本研究の一環とし、2020年3月10日に、タイDhurakij Pundit University主催(BIICL及び名古屋大学大学院国際開発研究科共催)のセミナー"Recent Development in Regulations and Investment Policy in Asia: Investment Liberalization, Investment Facilitation and FDI Screening"においてそれぞれ"Regulations and Investment Policy of ASEAN and its Dialogue Partners"及び"Investment Dispute Settlement in ASEAN: What Lessons to Learn from other Regions"につき研究発表を行う予定であったが、新型コロナウィルス感染症の拡大により、セミナーは延期となっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究の2年目である2020年度は、研究代表者は日本の外為法改正に関する研究及び中国の一帯一路に関する法的対応につきASEAN諸国を中心に、インタビュー研究研究協力者であるKryvoi教授は東欧諸国、ウクライナ及びセルビア半島におけるロシアの貿易・投資戦略に関する事例や議論につき、現地の資料及び(可能な範囲で行う)インタビュー結果に基づき検討及び評価を行う。合わせて、2018年の2002年企業法改正を含む英国の貿易・投資政策と安全保障との関係、ブレグジットとの関係、EUのFDI審査規則に関する検討、安全保障を理由とする貿易・投資規制と国際法との関係(安全保障例外条項の解釈に係る判例、文献調査等)を資料検討を中心に調査を行う。上記のうち、現地調査は新型コロナウィルス感染症の状況に応じて柔軟な対応を行う必要がある。 研究分担者(西川)は、国際政治学・安全保障の視点からASEAN諸国の動向を現地調査(同様に、新型コロナウィルスの状況に応じて変更を加えつつ)行う。研究分担者(山形)は、安全保障に関する国際法における紛争解決の検討を資料調査を中心に継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外研究協力者及び研究代表者は、本研究の一環とし、2020年3月10日に、タイDhurakij Pundit University主催(BIICL及び名古屋大学大学院国際開発研究科共催)のセミナー"Recent Development in Regulations and Investment Policy in Asia: Investment Liberalization, Investment Facilitation and FDI Screening"においてそれぞれ"Regulations and Investment Policy of ASEAN and its Dialogue Partners"及び"Investment Dispute Settlement in ASEAN: What Lessons to Learn from other Regions"につき研究発表を行う予定であったが、新型コロナウィルス感染症の拡大により、セミナーは延期となったため大幅な未使用額が生じた。
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