研究実績の概要 |
研究の最終年度となる本年度は、研究成果の発表として、編著"Tomoko Ishikawa and Yarik Kryvoi, Public and Private Governance of Cybersecurity: Challenges and Potential (Cambridge: CUP 2023)"を出版するとともに、国際シンポジウムを開催した。合わせて、本研究の「次」に繋がる研究テーマとして、ロシア・ウクライナ戦争を契機とした、エネルギー安全保障に対する懸念の一層の高まり及び、エネルギー転換に対するプレッシャーの 高まりを背景とし、エネルギーに関する安全保障上の脅威と、経済グローバライゼーションとの間の関係を検討対象とし、この観点から、気候変動ガバナンスに おける国際協調の現状と、国際協調に基づくガバナンスの構築を阻害する要因、これを克服するための課題、課題を乗り越えるための方策といった検討課題を設定し、これらの予備的調査のため、ブリュッセル・ロンドンへ渡航しインタビュー等を行った。 研究期間全体を通じ、代表者及び海外共同研究者は、当初予定していた、体内直接投資のスクリーニング強化という世界的流れの分析を、(コロナ禍により現地調査が制限されたため)文献・判例調査を中心として行い、成果を論文・研究発表を通じて行った。これに加え、現地調査を比較的必要としない「サイバーセキュリティの脅威に対処するために、現在の国際的な法的・政治的枠組みの可能性を検討する」という目的に焦点を絞り、上記編著へと繋げたものである。研究分担者はそれぞれロシア・ウクライナ戦争、ミャンマーにおける人道危機といった、安全保障に関わる最先端の重要な事象につきそれぞれ国際法学・国際関係学の観点から分析を行い、研究業績記載の著書、論文、学会発表等を通じ、研究成果を国際的に発表した。
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