研究課題/領域番号 |
19KK0031
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
武内 進一 東京外国語大学, 現代アフリカ地域研究センター, 教授 (60450459)
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研究分担者 |
千年 篤 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10307233)
桐越 仁美 東京外国語大学, 現代アフリカ地域研究センター, 研究員 (70793157)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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キーワード | 資源管理 / アフリカ / 農村 / 土地 / 伝統的権威 / 法制度改革 / ガバナンス |
研究実績の概要 |
共同研究の基盤形成面で大きな進展があった。東京外国語大学に2019年9月~2020年1月の期間招へいした、ガーナ大学アフリカ研究所のコジョ・アマノール教授との関係を軸にして、ガーナ、ルワンダを中心にアフリカ数か国の研究者とのネットワークを構築することができた。ベースとなったのは、2020年2月にルワンダのプロテスタント人文・社会科学大学(PIASS)で開催した国際シンポジウム(PIASS-TUFS Joint Seminar on Resource Management and Development. Huye, Rwanda, on18-19 February 2020)であり、ここには、アマノール教授他ガーナ大学からの5名、またPIASSからの4名を含む、約30名の研究者がガーナ、ルワンダ、日本、カメルーン、コンゴ民主共和国、モザンビーク、ザンビア、南アフリカから集まり、農村資源管理について議論した。そこに提出されたペーパーを中心として、Yasuo Matsunami and Shinichi Takeuchi, Eds. ASC-TUFS Working Papers 2019. Challenges of Development and Natural Resource Governance in Africa. Tokyo: African Studies Center, Tokyo University of Foreign Studies. vi+321ページ、(ISBN 978-4-9910084-2-9)を2020年3月に刊行した。ルワンダとガーナの比較研究を進めるうえで基盤となる、重要なネットワークを形成できたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究プロジェクト初年度としては、予想以上に進展したと考えている。コジョ・アマノール教授の招へいと2020年2月のルワンダでの共同セミナー(“PIASS-TUFS Joint Seminar on Resource Management and Development”)を通じて、ルワンダとガーナを比較研究するための共同研究のプラットフォームの構築を進めることができた。このセミナーは、本国際共同研究およびそれと並行して進めている科研費プロジェクト(基盤研究(B)「アフリカ農村部における資源管理と政治権力」(課題番号18H03439))を総合する形で企画、運営された。同セミナーではアフリカ7か国から参集した研究者が農村部資源管理について議論し、英文出版物刊行に向けてペーパーを準備することで合意した。特に、ガーナから参加したアマノール教授を含む5人の研究者がルワンダとの農村部資源管理の違いに気づき、本研究プロジェクトの比較研究的視座をよく理解してくれたことは収穫だった。これによって、共同研究に対して非常に前向きな姿勢を示すようになった。共同セミナーはルワンダ側の参加者からも大変好評で、継続して実施することが合意された。2020年9月にアクラのガーナ大学で共同セミナーを開催する予定である。共同セミナーでは、研究成果の取りまとめとともに、若手研究者(博士課程、ポスドク)に対して積極的に報告の機会を与え、相互交流と人材育成の場とする方針である。
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今後の研究の推進方策 |
ルワンダのPIASSにおいてガーナ大学の研究者5名が参加する共同セミナーを開催できたことは、本国際共同研究にとって幸先の良いスタートとなった。会議では、2020年9月にガーナ大学で共同セミナーを開催すること、そこに提出されたペーパーをもとに英文出版を公刊することが合意され、Springer社とも出版に向けて具体的な話し合いが始まった。今後はこの方針に沿って共同研究と成果出版を進めていきたい。最大の障害は新型コロナウイルス感染症の影響である。現下の状況では9月の共同セミナー開催は難しいかもしれない。共同セミナーは若手の人材育成の場としての意味も大きかっただけに、今回のパンデミックは誠に残念である。しかし、いずれそれが終息し、渡航が可能になった時のために、できることを行っておきたい。すなわち、農村資源管理に関するペーパーを集めるとともに、刊行に向けてブラッシュアップしておきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初東京農工大で資料購入を予定していたが、購入予定資料の出版時期が遅れたため、2020年度に購入することとした。
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備考 |
東京外国語大学現代アフリカ地域研究センターのホームページで研究活動や研究成果を頻繁に紹介している。
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