研究実績の概要 |
コロナ禍で様々な苦労があったが、2023年3月6日、7日の二日間、ガーナ大学アフリカ研究所において、国際共同セミナーを開催でき、共同研究の取り纏めとして大きな成果になった。発表者総数は41名に上り、ガーナ、カメルーン、コンゴ民主共和国、ルワンダ、モザンビーク、ザンビア、南アフリカ、そして日本から参加者が集まる大規模な会議となったが、”State and Rural Resource Management in Africa”の総合タイトルの下に、熱心な議論がなされた。本国際共同研究の枠組みでは、2021年度に英文の研究書(Shinichi Takeuchi ed. African Land Reform Under Economic Liberalisation - States, Chiefs, and Rural Communities. Singapore: Springer.)を刊行したが、この共同セミナーは共同研究の次のステップを考える上で、非常に有益なものとなった。 本国際共同研究は、もともと土地政策に対する住民の反応や政策効果がルワンダとガーナで対照的であることに着想を得て立ち上げられた。ルワンダとガーナの研究者を交流させるなかでこの対照性を考察し、分析への足がかりを得たいと考えていた。研究開始直後の2020年2月にルワンダで共同セミナーを開催し、ガーナ人研究者にルワンダを見せつつ問題意識を共有することができた。その後コロナ禍に襲われ、海外渡航が不可能になるなかで、まずは研究成果を形にすることを考えて研究書を刊行した。最終年度にようやくコロナ禍が収束に向かい、ガーナでのセミナーにルワンダから研究者を招くことができた。二ヵ国の比較に他のアフリカ諸国の視点を交えることも本研究の重要な眼目で、両国でのセミナーに多くの参加者を招くことができたのは大きな収穫だった。
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