研究課題
研究期間全体を通じて、ビッグデータとして主にツイッター(現X)のデータ分析を行ってきた。2013年から2020年にかけてインドネシアの全509県・市+首都ジャカルタ州の名前を含むツイート数をチェックし、その中からリアクションのあるツイート数と人口数でウェイトをかけて25自治体(全人口の約24%)を抽出した。当該自治体名か当該自治体の首長名と7つの地方行政の管轄事項(コロナ対策、教育、雇用、環境、居住、地方ガバナンス、公衆衛生)に関するキーワードを含むツイートを抽出した。その総数は約130万であった。それを踏まえて、自治体が重視するテーマに基づいて自治体をクラスターわけをした。そうすると、雇用や教育などに関するツイートが人口の稠密なジャワ島に多く、森林、アブラヤシや石炭など天然資源の賦存度の高いジャワ以外の島において環境に関するツイートが多いことが分かった。それはNvivoによる頻出単語分析などからビジュアルに浮かび上がってきた。また、都市部の自治体と農村部の自治体とではツイートの内容に違いが多かった。さらに、今年度の現地調査などから、ツイートで頻出のトピックが自治体の重要政策課題や首長選のイシューである場合もあれば、そうでない場合もあることが分かった。市長の汚職問題があれば、当然、ツイートはその話題が圧倒的に多くなり、また、ごみ問題のような都市で極めて重要な課題であり、ツイートで問題として取り上げられながらも、首長候補たちが避ける話題であるために首長選では全く争点にならないし、自治体が真剣に取り組まない場合もあった。後者の点からは、ツイートの語りをより積極的に地方行政に反映させる仕組みができれば、自治体の政策変更に繋がり、住民の満足度を高める可能性があることを十分に示唆している。また、ツイートの意見を汲み取る仕組みが自治体で生まれながらも、結局は十分に機能していないことを示唆している。
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東南アジア研究
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