研究課題/領域番号 |
19KK0035
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
元橋 一之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30345441)
|
研究分担者 |
インタラカムナード ピー 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (70639913)
カン ビョンウ 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (70735365)
|
研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
|
キーワード | 技術キャッチアップ / 特許データ / 中国 / インド / タイ |
研究実績の概要 |
中国、インド、タイの3か国についてWTO-TRIPSへの準拠による国内法制の整備を中心とした知的財産制度に関する調査を行い、現地企業の技術的キャッチアップとの関係で重要な制度の変更(プロパテント政策)の抽出を行った。その内容を踏まえて、各国において実証分析テーマの明確化を行った。具体的には以下のとおりである。 ・中国:エレクトロニクス産業における技術的キャッチアップ、特にHuaweiの分析を行うとともに、イノベーションキャッチアップにおける大学の役割について分析を行う。 ・インド:セクション3(d)による外資系企業の特許無効事例に関するイベントと国内製薬企業のイノベーションに関する分析を行う。 ・タイ:国内自動車部品メーカーの技術的キャッチアップのプロセスにおいて、知的財産制度の影響は小さいことが分かったため、自動車産業の研究に加えて、食品産業など現地企業の技術的競争力を有する産業の抽出を行うこととした。 データベースの整備については、これまでの研究プロジェクトで整備を進めてきた中国知識産権局のデータベースに加えて、タイ知的財産局(Department of IP)における特許データの整備を行った。更に特許テキスト情報を用いた技術的キャッチアップの分析について、パイロットスタディとして、中国のインターネット事業者Baiduの米国Googleに対するキャッチアップに関する分析を行った。これらの研究内容については、オンラインによる国際会議を行い、関係者で情報をシェアするとともに、今後の研究計画について合意した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度の後半にコロナウィルスによる海外渡航制限の影響を受けたが、当初予定していた計画どおり研究の進捗が見られた。
|
今後の研究の推進方策 |
中国、インド、タイのそれぞれの国における現地研究者と国内研究チームの協力によって、それぞれの国における実証研究(中国:エレクトロニクス産業、インド:医薬品産業、タイ:自動車産業に加えて食品産業など現地企業が技術競争力を持つ産業の抽出)を進める。当初は、国内研究者が現地に赴いて国際共同研究を進める予定をしていたが、コロナウィルスの影響で渡航制限の解除の見通しが立たないため、オンラインでコミュニケーションを行い研究を進める予定である。ただし、外出規制の関係で、現地企業に対するヒヤリング調査ができない状況であり、研究の遅延が顕著になる場合には、何等かの代替案の検討が必要になる可能性がある。データベースの構築については、インド特許庁のデータの整備が必要であるが、こちらはオンラインで対応が可能であり、担当する研究分担者と協力しながら進めていくこととする。
|