研究課題/領域番号 |
19KK0037
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
堀内 恵 中央大学, 商学部, 教授 (20338651)
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研究分担者 |
清水 智 山梨学院大学, 学習・教育開発センター, 教授 (90162700)
五十川 陽 千葉経済大学, 経済学部, 講師 (40852760)
前田 瞬 活水女子大学, 健康生活学部, 准教授 (40758984)
安積 淳 拓殖大学, 商学部, 准教授 (10348302)
福田 賢一郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究チーム長 (10357890)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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キーワード | REA ontology / REA 2.0 / B-MERODE / MDA / スマートコントラクト / ブロックチェーン技術 |
研究実績の概要 |
本年度は、下記の研究活動に取り組んだ。 第1に、研究代表者の堀内、ベルギーのUCLouvain Saint-Lous大学のLaurier教授および共同研究者の清水教授は、昨年度アメリカ会計学会のJournal of Information Systems誌にて公表したREA2.0のモデル(売手、買手、および双方にとっての統一的な視点を整合的に支援するモデル)をブロックチェーン(BC)技術環境で構築するためのBC技術環境の徹底調査を行った。その結果として、複数コントラクト(オブジェクト指向でのクラスに相当)間の関係性の定義が可能であるBC技術環境としてHyperledger fabricを用いることが妥当であると判断した。 第2に、ベルギーのKU Leuven大学のSnoeck教授とNamur大学のAmaral de Sousa氏のB-MERODEの成果を手掛かりに上述のhyperledger fabricを前提として、REA2.0の第1プロトタイプ構築に着手した。 第3に、堀内はトラックドライバーの(荷主都合の)荷待ち時間削減と適正取引の仕組みについて山梨の物流会社と一緒にBC技術を用いた改善策を考案した(特許申請中)。 第4に、共同研究者の前田准教授は、データ品質(情報品質)の観点からのブロックチェーンによる情報管理の有用性の評価について研究を進めた。その成果は、日本情報経営学会第68回全国大会の特定自由論題で報告された。また、同准教授は、長崎県内の水産ビジネス関連企業と流通・販売企業におけるBC技術を用いるバリューチェーンネットワークの構築実験に着手した。共同研究者の五十川准教授は、BC技術環境における記帳方法としての三式簿記の可能性についての研究に着手した。共同研究者の安積准教授は、DX環境における日本の情報システムのパターンを明らかにするための既存研究の徹底調査に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスよる影響で、当初計画していた日本ならびにベルギーの専門家と実務家を招聘しての遠野ブロックチェーンワークショップの開催、岩手県遠野市にある木工団地への訪問調査および長野県茅野市の日本ジビエ振興協会への訪問調査を実施することができなかったために、現状の進捗状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は以下である。 第1に、コロナウイルスによる影響で当初計画していたにもかかわらず遂行することができなかった箇所について、メンバー全員で共有しつつ遅れた分を取り戻すためのバックアップ計画を立案する。この具体的な計画に基づいて、各メンバーは研究に取り組むことにする。 第2に、2021年7月末に実施を予定していた遠野ブロックチェーンワークショップを開催して、REA2.0に基づく取引モデルの第1プロトタイプを構築する予定である。その成果を学会(日本情報経営学会の全国大会)で報告をして、そのフィードバックを通じてモデルを洗練させていく。 第3に、日本ならびにベルギーの専門家と実務家を招聘しての遠野ブロックチェーンワークショップの開催する予定である。第1プロトタイプとして構築した取引モデルを、木工団地の取引処理システムとして構築するための要件定義を行う。 第4に、ブロックチェーンに記録された取引データと関連する非取引データ(SNS、取引ログ等)とを結びつけることにより経営判断に役立たせるための既存研究の徹底調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、当初予定した訪問調査および国際ワークショップを開催できなかったためである。
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