研究課題/領域番号 |
19KK0040
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
樋渡 雅人 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 准教授 (50547172)
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研究分担者 |
山田 大地 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (40852637)
成田 大樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (50746485)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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キーワード | 環境評価 / 重金属 / 開発経済学 / 環境経済学 / ザンビア |
研究実績の概要 |
本年度後半(2019.10-2020.3)は、カブウェにおける鉛汚染の経済損失の評価に関わる計量分析を、既収集のデータに基づき進展させるとともに、現地協力者を通した補足データの収集、次年度以降の現地調査の設計・準備等を進めた。 鉛汚染の経済損失の評価に関わる計量分析としては、2017年に同研究チームがカブウェで実施した家計調査・鉛血中濃度調査のデータを用いて、血中鉛濃度の上昇が家計の支出水準に与えるインパクトを計量経済学的に分析している。諸要因をコントロールし、汚染源からの距離を操作変数とした予備的分析からは、鉛血中濃度の負の効果が有意に見出された。今後、分析の精緻化を進め、論文としてまとめる予定である。 また、カブウェ市の教育局の協力を得て、現地協力者が主体となり、カブウェの学校の生徒の共通卒業試験のテストスコアの収集を試みた。本データは、鉛汚染の影響が子供の学力に与える負の影響を検証するために利用される予定である。結果として、200名程度のスコアを収集したが、欠損データも多く見られた。今後、欠損部分を補完調査で補完できるか検討したい。 さらに、2020年度に予定していた大規模サーベイの準備として、調査内容の打ち合わせや、調査項目の再検討を行った。ただし、当初予定していた2020年8-9月の調査の実施については、コロナウイルス感染拡大の影響により延期となる可能性がある。その場合も、21年度に延期して調査を実施する予定であるため、質問票の準備などを進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス感染拡大の影響により、3月に予定していた日本側メンバーのザンビア出張が中止となった。補足データ(試験スコア)の収集や分析結果の共有、来年度以降に実施予定のサーベイの内容(形式や質問票)等については、現地協力者の協力やオンラインによる打ち合わせにより進めることができた。しかし、2020年の8-9月にカブウェにおいて実施する予定であった大規模サーベイに関しては、実現性が不透明となったことから、現地機関等との具体的な調整などは当初の予定通りには進めていない。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画においては、2020年度の8-9月にカブウェにおいて、本研究の核となる大規模サーベイを実施する予定であったが、コロナウイルス感染拡大の状況によっては、延期せざるを得ない可能性がある。その場合は、調査は、2021年度の8-9月に延期して実施することで、23年度までの研究期間内に当初の目的は達成できる見込みである。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、2020年3月に予定していた日本側メンバーのザンビア出張が、コロナウイルスの感染拡大の影響により、キャンセルとなったためである。代替となる出張を翌年度に予定しているため、翌年度分として請求する。
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