研究課題/領域番号 |
19KK0045
|
研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
毛利 嘉孝 東京藝術大学, 大学院国際芸術創造研究科, 教授 (70304821)
|
研究分担者 |
清水 知子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00334847)
近藤 和都 大東文化大学, 社会学部, 講師 (10830359)
大久保 遼 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (60713279)
日高 良祐 東京都立大学, システムデザイン研究科, 助教 (60803400)
|
研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
|
キーワード | メディア・スタディーズ / デジタル・メディア / ソーシャル・メディア / クリエイティヴ産業」 |
研究実績の概要 |
本研究の目的をあらためて確認すると、近年のデジタルメディアの変容が文化芸術や生活様式(ライフスタイル)にど のような影響を与えているのか、そしてこれから与えるのかを日米の比較研究で明らかにすることだった。特に以下の三点を主たる目的とした。 (1)伝統的な文化産業(テレビ、ラジオ、広告、音楽等々)が近年の創造産業(デジタルメディア、インターネッ ト、ソーシャルメディア、知的所有物等々)へと推移することによって、人々と生産と消費の様式、資本主義の形式、はどう変化したのか (2)身体と空間を中心とする規律=訓練社会から情報やデジタルネットワークを中心とする制御=管理社会への移行において 、個人を取り巻く権力の編成はどのように変化したのか (3)人工知能(AI)に代表されるような創発的なデジタル技術は、人間と機械の関係や人工物や自然のエコロジー をどのように変えつつあるのか。 本科研のそもそもの趣旨に照らし合わせると、アメリカ、ボストンのMITに一定期間滞在し、共同研究を行うことが重要な要素だった。しかし、その点については昨年度に引き続き一年間新型コロナウイルス感染拡大のために、大学キャンパスが閉鎖され、移動もままならなかったので残念ながら十分な実績を上げることはできなかった。比較的緩和した時期に計画を立てたが日本側の大学に渡航準備体制がたたず断念した。基本的には文献調査を中心としながら、各研究者のこれまでの研究蓄積を確認するものとなった。その一部は2020年度までにすでに出版物として刊行されている。滞在の代わりに、今日共同研究者であるMITイアン・コンドリー教授を中心にMITと日本側で2ヶ月に1度、合計6回のオンライン研究会を開きつつ、オンラインベースでの研究を行った。また、主としてこれまでに明らかになっていることを今一度整理しつつ、来年度の研究の方向性を策定した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大のため当初計画の中心だったアメリカ、マサチューセッツ工科大学(MIT)に滞在し、共同研究、調査、日米比較を行うことが全くできなかった。共同研究はオンラインやインターネットのやりとりで行っているがやはり限界があるので、本格的な共同研究に入ることができなかった。また公開のオンラインプロジェクトも模索したが、アメリカでは昨年度にはかなり対面式の授業が開始したこともあり、研究の環境が随分と異なり日本側と時期をあわせることが難しくなった。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、夏以降にボストン滞在の可能性を探る。その一方で、2022年度もコロナ禍のためにMITの長期滞在ができないことも想定されるので、現在MITと相談しながらオンラインによる研究推進の方法を探っている。とりあえず年6回の研究会とオンラインの公開シンポジウムを開催し、研究者だけではなく、技術者やアーティスト、経済人、行政関係者、そしてユーザーなど幅広いネットワークを形成しながら、実践的な調査を行う準備をしている
|
次年度使用額が生じた理由 |
本計画は研究者がアメリカMITに長期滞在し、研究活動を行うことを前提につくられているが、新型コロナ感染拡大のためにプロジェクト開始以来一度も海外出張ができない状況である。今年度は集中的に長期出張滞在を行い、成果を出すことを目指す。
|