研究課題/領域番号 |
19KK0047
|
研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
山田 壮志郎 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (90387449)
|
研究分担者 |
垣田 裕介 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (20381030)
後藤 広史 立教大学, コミュニティ福祉学部, 准教授 (60553782)
|
研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
|
キーワード | ホームレス / 住居喪失過程 / 広義のホームレス |
研究実績の概要 |
本研究は、今日のホームレスの実態に即した居住支援システムのあり方を考察するために、アメリカでホームレス研究を蓄積してきた研究者との共同研究により、ホームレスに至る経路の解明と支援システムの評価を行うものである。2019年度から2022年度までの4年間、海外共同研究者との研究ミーティングを毎年1回以上アメリカで実施し、ホームレスの実態や支援システムの実績に関するデータを共同で分析することを目的としている。 具体的には、①住居喪失過程:ホームレスはどのような過程で住居を喪失したのか、②定義と計測:広義のホームレスをどのように把握するか、③資源の利用:ホームレスはどのような社会資源を利用しているか、④政策評価:恒久住宅に移行したホームレスは定着しているか、⑤費用対効果:ホームレス支援に支出される費用はいくらかの5つのリサーチクエスチョンを設定した。 2019年度は、①日本側研究チームによる研究会を複数回開催し、ホームレスの創出経路と支援システムの評価に関する日本の研究成果を整理すること、②年度内に1回、海外共同研究者と面会するため渡米し、現地で研究会を開催し、日本側研究チームの問題意識と研究計画を報告して、今後の共同研究に向けた打ち合わせを行うことを計画した。 実際には、日本側研究チームによる研究会を5回開催し、研究計画の確認や準備等を議論した。また、2020年1月に海外共同研究者とのミーティングのため渡米し、日本側チームの問題意識を報告するとともに今後の研究計画についての助言を受けた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は、日本側研究チームによる国内研究会と海外共同研究者とのアメリカでの研究会を通じて、本研究課題の今後の計画を確定することを目標とした。計画通りに研究会を開催することができ、とくに、アメリカでの研究会では、日本側研究チームが想定していなかった研究方法について助言を得ることができた。国内研究会も、当初は3回程度の実施を見込んでいたが、5回の会議を実施することができた。 以上のことから、本研究課題はおおむね順調に進展していると自己評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
2019年度に実施したアメリカでの研究会では、海外共同研究者より、各国でホームレス数が増加する中、日本のホームレス数の減少は国際的に注目されており、その要因や背景を明らかにすることは重要な研究課題になるとの助言を得た。また、路上のホームレスだけでなく広い意味でのホームレス状態を把握する国際基準など、国際的なホームレス研究の動向についても示唆を得た。 これらの助言や示唆を踏まえ、日本側チームの中に3つの作業班を作り、各班がリサーチ・クエスチョンを設定してデータ分析を進め、2020年度の海外共同研究者との研究会で報告することを計画している。また、研究成果を将来的に国際学会や国際誌で共同発表するための準備も進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
海外共同研究機関の手続き遅延により研究補助者への謝金支払い手続きが滞ったこと、購入を予定していたPCの購入を見送ったこと、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い国内研究会の一部をオンライン会議に変更したことなどから、計画よりも支出が減少した。 次年度は、初年度に見送った経費の支出を改めて検討する。
|