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2022 年度 実施状況報告書

自然体験をベースとした生態系教育とトータル・ランドスケープに関する学際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0053
研究機関九州工業大学

研究代表者

伊東 啓太郎  九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (10315161)

研究分担者 須藤 朋美  九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (60847797)
山本 有恵  京都精華大学, その他の部局, 講師 (00827503)
鎌田 磨人  徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (40304547)
研究期間 (年度) 2019-10-07 – 2025-03-31
キーワード自然環境 / ランドスケープデザイン / 子どもの遊び / 環境学習 / 生態系サービス / 風土 / 環境学習プログラム / グリーンインフラ
研究実績の概要

本研究は、日本人研究チームが米国およびノルウェーに出向き、ノルウェー、米国研究者とともに、身近な自然環境を保全・活用するランドスケープの設計・マネジメントについて議論し具体的な空間提案を行うことを目的としている。実際の計画・設計プロセスとノルウェー・米国・日本の比較研究を通して、地域の自然環境の保全・再生を行いながら「子どもの遊び」、「環境学習」の場として活用できる新しいランドスケープデザインの手法とその国の風土に適した環境学習プログラムを開発することを目的として研究を進めている。
2022年度も、コロナ禍のため計画していた米国・ノルウェーでの現地調査とワークショップは、開催延期となった。このため、日本国内での現地調査をメインで研究を進めた。共同研究者(伊東、須藤、山本、鎌田)で、研究の進捗報告ならびにディスカッションを行った。また、2022年5月13-5月16日に米国のマークホステットラー教授が来日し、日本の世界遺産屋久島での調査ならびに、徳島・阿南市において生物多様性保全と環境計画・設計のワークショップを行った。また、研究代表者の伊東は、イタリアボルツアーノ大学で研究協力者のZerbe教授、長谷川氏と現地調査ならびに子どもと自然環境、生態系保全と環境デザインに関する研究打ち合わせを行った。
子どもにとって、自然の中での「遊び」や「学び」は、心身の発達の上で重要な役割を持っており、自然環境が人間に供給する重要な生態系サービスとして健全に機能することが求められる。実際の計画・設計プロセスとノルウェー・米国・日本の比較研究を通して、地域の自然環境の保全・再生を行いながら「子どもの遊び」、「環境学習」の場として活用できるような新しいランドスケープデザインの手法とその国の風土に適した環境学習プログラムを開発することを目的として研究を継続している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度は、研究代表者の伊東は1年間フロリダ大学に滞在し、フルブライト研究員として、アメリカのゲインズビルにて、身近な緑地、グリーンインフラの設計・活用手法についての研究をフロリダ大学のHostetler教授と共同で進めた。同時に、具体的な空間提案を行うためにゲインズビルにおいて現地調査を行った。
また、コロナパンデミックの影響により、2021年度は、研究チームで予定していた米国、ノルウェーでの現地調査、ワークショップの開催ができなかった。2022年5月13-5月16日には、米国のマークホステットラー教授が来日し、徳島・阿南市において生物多様性保全と環境計画・設計のワークショップを行った。また、イタリアボルツアーノ大学で研究協力者のZerbe教授、長谷川氏と現地調査ならびに子どもと自然環境、生態系保全と環境デザインに関する研究打ち合わせを行った。
現在2023年度のプロジェクト実施を進めている。2023年9月にノルウェーでのワークショップが確定しており、ウクライナ情勢など世界の動向を見極めながら進めていく。また、研究メンバー、研究協力課と相談し、研究期間を最終年度に1年延期する方向で、合意がなされている

今後の研究の推進方策

研究代表者の伊東は、2020年度フロリダ大学におけるグリーンインフラの研究成果を共立出版から出版された「景観生態学」を執筆した。継続してフロリダ大学Hostetler教授、ノルウェーHSNのFjortoft教授、鎌田教授、山本講師、須藤助教との共著の執筆を進める。また、国内では、鎌田教授とは生態学的視点から見たグリーンインフラ設計、須藤助教とはグリーンインフラの子ども環境としての活用手法に関する共同研究発表を継続する。山本講師とは、研究計画時には想定していなかったコロナ禍の中での都市緑地の活用についての検討を加え、心理学的観点からその有効性を深めてゆき、グリーンインフラの持つ重要な機能についての知見と議論を深めてゆく。Fjortoftら(2004) は、地域のオープン・スペースを子どもの遊び場・環境教育の場として位置づけ、その重要性について議論している。2023年度は、Fjortoft教授とのスケジュール調整が既にできており、9月にノルウェーでのランドスケープと環境教育のワークショップを開催予定であり、伊東、須藤、山本、鎌田が参加予定である。ノルウェーでは、「自然享受権」が法律で定められており、このことがランドスケープの活用にプラスの影響を与えていると考えられる。本研究では、実際の計画・設計プロセスと子どものアクティヴィティ、ノルウェー、アメリカ、日本との比較研究を通して、地域の自然環境の保全・再生を行いながら「子どもの遊び」、「環境学習」の場として活用できるような新しいランドスケープデザインの手法の検証とその国の風土に適した継続的な環境学習プログラムを開発・確立することを目的として研究を進める。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により、現地調査とワークショップが開催できなかったため。2023年度は、ノルウェーHSNのFjortoft教授とのスケジュール調整が既にできており、9月にノルウェーでのランドスケープと環境教育のワークショップを開催予定である。研究代表者の伊東ならびに研究分担者の須藤、山本、鎌田が参加する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] グリーンインフラとしての海岸マツ林の保全管理とローカルガバナンス-3地域の比較からみる政策的誘導のあり方2022

    • 著者名/発表者名
      朝波史香・鎌田磨人
    • 雑誌名

      環境社会学研究

      巻: 28 ページ: 21-40

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 学生相談における実践的方法としての「場づくり」の検討2022

    • 著者名/発表者名
      山本有恵
    • 雑誌名

      学生相談研究

      巻: 43-1 ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [学会発表] Landscape ecology for nature-based solutions in the monsson Asia.2022

    • 著者名/発表者名
      Kamada M
    • 学会等名
      ICLEE2022
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 農村地域の子どものあそびと生態系サービスに関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      須藤朋美 長谷川逸人 伊東啓太郎
    • 学会等名
      日本緑化工学会,日本景観生態学会・応用生態工学会 3学会合同大会 ELR2022
  • [学会発表] 市のエコロジカルネットワークにおける街路樹の機能に関する研究ー北九州市小倉北区を対象としてー2022

    • 著者名/発表者名
      谷尾道希, 長谷川逸人, 須藤朋美,伊東啓太郎
    • 学会等名
      日本緑化工学会・日本景観生態学会・応用生態工学会 3学会合同大会 ELR2022
  • [学会発表] 子どもの動植物に対する興味に着目した小学校ビオトープの活用方法の提案.2022

    • 著者名/発表者名
      星野愛結,伊東 啓太郎,須藤 朋美,長谷川 逸人,松村 竜也,谷尾 道希
    • 学会等名
      日本緑化工学会・日本景観生態学会・応用生態工学会 3学会合同大会 ELR2022
  • [学会発表] 福岡県福津市の海岸マツ林と里山での保全活動におけるガバナンス比較2022

    • 著者名/発表者名
      長谷川逸人,朝波史香
    • 学会等名
      日本緑化工学会・日本景観生態学会・応用生態工学会 3学会合同大会 ELR2022
  • [学会発表] リアルとオンラインの交差点~学生相談・支援の新しい「繋がり方」を求めて2022

    • 著者名/発表者名
      山本有恵
    • 学会等名
      日本学生相談学会

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公開日: 2023-12-25  

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