研究課題/領域番号 |
19KK0061
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
芦沢 真五 東洋大学, 国際学部, 教授 (00359853)
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研究分担者 |
森 利枝 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構, 研究開発部, 教授 (00271578)
花田 真吾 東洋大学, 国際学部, 准教授 (00635865)
関山 健 京都大学, 総合生存学館, 准教授 (90583576)
野田 文香 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構, 研究開発部, 准教授 (20513104)
太田 浩 一橋大学, 森有礼高等教育国際流動化機構, 教授 (70345461)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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キーワード | 高度外国人材 / 外国学歴 / 資格認証 / 東京規約 / 資格の電子承認 / フローニンゲン宣言 |
研究実績の概要 |
2021年4月以降、カナダおよびオーストラリアのFCE専門家との研究会を継続させるとともに、学修歴証明書のデジタル化にかかわる実証実験を継続した。すでに2021年4月時点で国際基督教大学においては一部の証明書のデジタル化に取り組んでいたが、全在学生、卒業生の証明書を電子的に発行する準備がすすめられた。また芝浦工業大学においても、全在校生、卒業生の証明についてデジタル化が実現した。7月9日には「大学のためのフューチャー・デザイン研究会」との協力のもとで、デジタル証明書の将来像をテーマにした研究会を開催した。なお実証実験の結果として、以下のプレスリリースが2大学で発表された。 1)国際基督教大学(ICU)におけるプレスリリース(2021年6月7日) 2)芝浦工業大学(SIT)からのプレスリリース(2021年10月21日) 10月14日に東京規約の締約国会議がオンラインで開催されたが、この時期に合わせて科研関係者も、東京規約締約国会議における検討課題(部分的な修学や非伝統的な学修歴などの認証)について意見交換を行い、日本において東京規約の理念を実体化するうえで阻害要因となる問題点について検討をおこなった。特に、東京規約の国際法として存在意義や強制力に関して、専門家との意見交換をおこなった。また、在留資格申請などで専門的な知見をもつ杉田昌平弁護士の協力を得て、日本における制度設計の課題についても検討を加えた。 フローニンゲン宣言の参加機関ともオンラインで意見交換をおこない、特に、米国のWorld Education Serviceとはオンラインでの意見交換を2回にわたって実施している。カナダ、オーストラリアのFCE専門機会とも適宜、情報交換をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍により、出張や専門家の招聘が予定通りに実施できなかったが、オンラインによる勉強会、海外の専門家との意見交換を継続して実施できたことは有意義であった。また、国内外においても電子証明書を発行する意義について共通認識が生まれつつある。就業者などのReskillおよびUpskillを目的に、部分的な修学や非伝統学修歴を認証しようとする動きが世界的に広がっている。また、デジタルバッジやマイクロクレデンシャルと呼ばれる、比較的短期に修得が可能な学修歴が世界的に定着しつつあることは注目すべき動きである。こうした観点から、本プロジェクトは多くの大学関係者、研究者からの協力を得ることを通じて、おおむね順調に推移していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度においては、カナダ、オーストラリアのFCE専門家を招聘し、研究会とワークショップを開催する予定で準備をすすめている。具体的には、カナダの政府機関であるCICIC(Canadian Information Centre for International Credentials)およびオーストラリア政府(National Information Centre, under the Australian government’s Department of Education, Skills and Employment)と協議を継続してきたことで、8月後半に実施が予定されている国際教育夏季研究大会(Summer Institute on International Education, Japan)2022において、FCEの実務に関連したワークショップを開催し、日本における今後のFCE専門機関の設立やFCE専門職の職能開発の課題について検証を行う予定である。 また、デジタルバッジをはじめ、比較的短期間で修得される資格や学修歴についても海外での実運用の事例研究をおこない、日本での学修歴証明書デジタル化に向けた取り組み課題を明確化させていく。 2022年度は最終年度であるため、上記のワークショップに加えて、研究会を数回にわたって実施、最終報告をとりまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度も新型コロナ禍の影響により、出張を伴う海外調査 、海外からの専門家の招へいが実施できなくなっているため、過去3年度にわたって執行できない経費が生じた。一方、オンラインによる勉強会、海外の専門家との意見交換を継続して成果をあげている。2022年度は、8月にワークショップ開催を企画しており、海外の専門家を招聘する予定である。また、2022年度は最終年度となるため、他にも研究会を数回行う。
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